こんにちは、ツバサです。
EC運営の業務は多岐にわたる。商品撮影、ページ制作、受注処理、出荷、カスタマー対応、販促企画……全部を社内でやるのか、一部を外注するのか、判断に迷うことが多い。
特に少人数チーム(1〜3人)でECを回している場合、「全部自分でやったほうが速い」と思いがちだが、工数を計算すると外注したほうが合理的な業務もある。逆に、外注すると品質のコントロールが効かなくなる業務もある。
この記事では、EC運営の主要な業務を工程ごとに「外注向き / 内製向き」に切り分け、それぞれのコスト感と判断基準をまとめた。
EC運営の主な業務一覧
EC運営に必要な業務を大きく分類すると以下のようになる。
| 業務カテゴリ | 具体的な作業 | 外注しやすさ |
|---|---|---|
| 商品情報作成(ささげ) | 撮影、採寸、原稿作成 | ◎ 外注しやすい |
| 商品ページ制作 | 画像加工、ページデザイン、コーディング | ○ 外注可能 |
| 受注・出荷 | 注文処理、ピッキング、梱包、発送 | ◎ 外注しやすい |
| カスタマー対応 | 問い合わせ対応、クレーム処理、レビュー返信 | △ 内製向き |
| 販促・マーケティング | 広告運用、SEO、SNS、メルマガ、イベント企画 | △ 内製向き |
| 商品企画・仕入れ | 新商品の選定、価格設定、在庫計画 | × 内製が必須 |
外注に向いている業務
商品情報作成(ささげ)
撮影・採寸・原稿の3工程はマニュアル化しやすく、外注との相性が良い。1商品あたり1,300〜2,000円で代行できる(詳しくは「ささげ代行の費用相場まとめ」を参照)。特にアパレルのようにカラバリ・サイズバリが多い商材では、外注による時間の節約効果が大きい。
商品撮影
撮影だけを切り出して外注する方法もある。1カット400円台から依頼でき、商品を郵送するだけで完結するサービスがある(「EC向け商品撮影の代行サービス比較」に7社をまとめた)。
受注・出荷業務
AmazonのFBAに代表されるフルフィルメントサービスを使えば、在庫保管・ピッキング・梱包・発送・カスタマー対応(返品含む)を丸ごと委託できる。月間出荷数が増えるほど自社出荷の工数が膨らむため、月100件を超えたあたりで外注を検討する事業者が多い。
内製すべき業務
商品企画・仕入れ
自社ECの根幹であり、外注すべきではない。どの商品を扱うか、いくらで売るか、在庫をどれだけ持つか。この判断を他社に委ねると、事業のコントロールが失われる。
販促・マーケティングの方針決定
広告の運用代行やSNS投稿の外注は可能だが、「何をどう売るか」の戦略部分は内製が基本。外注する場合も、方針の決定権は自社に残すべきだ。
カスタマー対応
定型的な問い合わせ(配送状況の確認、返品手続きなど)は外注可能だが、クレーム対応や商品に関する専門的な質問は商品知識が必要で、内製のほうが品質を保ちやすい。ブランドの印象を左右する業務でもあるため、少なくとも初期段階では社内で対応するのが安全だ。
コスト比較:内製 vs 外注の目安
| 業務 | 内製コスト(目安) | 外注コスト(目安) |
|---|---|---|
| 商品撮影(月30商品) | 機材: 初期3〜5万円+作業時間 | 12,000〜30,000円/月 |
| ささげ(月30商品) | 人件費(作業時間 × 時給) | 39,000〜60,000円/月 |
| 出荷(月100件) | 人件費+梱包資材+倉庫費 | FBA等で50,000〜100,000円/月 |
| 受注管理ツール | Excel手作業(人件費) | 月額3,000〜30,000円 |
上記はあくまで目安であり、商品の特性や事業規模によって大きく変動する。判断のポイントは「自分(自社スタッフ)の時間をどこに使うか」という優先順位の問題だ。
コスト比較で見落としがちなのが「自分の時間の機会費用」だ。たとえば月30商品の撮影に20時間かけている場合、その20時間を販促施策や新商品企画に使えていたら、それ以上の売上増が見込めるかもしれない。外注費用だけを見て「高い」と判断するのではなく、自分の時間をどこに投下するのが最もリターンが大きいかで判断するのが本質的な考え方だ。
外注を始めるタイミングの見極め方
「全部自分でやる」から「一部を外注する」に切り替えるタイミングは、以下のサインが出たときだ。
・販促施策を考える時間がなく、受注処理や出荷作業に追われている
・撮影のクオリティが安定せず、自分で撮ると商品ごとにバラつきが出る
・複数モールの在庫管理をExcelで手作業しており、売り越しが発生し始めた
・月商が安定して月50万円を超え、外注コストを吸収できる利益が出ている
まずは最も時間を取られている業務から1つだけ外注してみて、効果を確認してから範囲を広げていくのが失敗しにくいアプローチだ。
よくある質問
Q. EC運営のどの業務から外注するのがおすすめですか?
最も時間を取られている業務から始めるのが鉄則です。多くの場合、商品撮影(ささげ含む)か出荷業務が最初の外注対象になります。定型的でマニュアル化しやすい業務ほど外注との相性が良いです。
Q. EC運営を外注するとどのくらいコストがかかりますか?
業務によって異なります。商品撮影は1カット400〜1,000円、ささげ代行は1商品1,300〜2,000円、受注管理ツールは月額3,000〜30,000円が目安です。フルフィルメント(出荷代行)はFBA等で月5〜10万円程度から利用できます。
Q. 小規模EC(月商30万円以下)でも外注すべきですか?
月商30万円以下の場合は内製で回すのが基本です。外注コストが利益を圧迫するためです。ただし、撮影のクオリティに課題がある場合は、少数の商品だけでも撮影代行を試す価値はあります。
Q. EC運営のすべてを外注することはできますか?
フルアウトソーシング(EC運営代行)として、撮影からページ制作、受注処理、出荷、CS対応まですべてを委託するサービスもあります。ただし費用は月額数十万円〜と高額で、事業のコントロール権が薄くなるリスクもあります。まずは部分外注から始めるのが現実的です。
Q. 外注先の品質が悪かった場合はどうすればいいですか?
最初に少量でテスト発注し、品質を確認してから本格的に依頼するのが基本です。撮影代行では無料お試し撮影を提供しているサービスもあります。品質に不満がある場合は修正依頼やフィードバックを行い、改善されなければ別の外注先に切り替えましょう。