ツバサのメモ帳
ささげ外注の損益分岐点を考えた|送料負けしない商材と判断基準

ささげ外注の損益分岐点を考えた|送料負けしない商材と判断基準

こんにちは、ツバサです。

ささげ業務の外注を検討したとき、最初にぶつかる壁が「往復送料」です。委託料に加えて商品を送って戻してもらう送料がかかるため、低単価商材では利益を食いつぶしてしまう。しかし、出品が遅れることによる機会損失まで計算に入れると、判断が変わる場面があります。

この記事では、ささげ外注にかかるコストの内訳を分解し、商材別の損益分岐点を計算しました。結論として、販売価格1万円以上の商材であれば外注は十分にペイします。

この記事でわかること

  • ささげ外注で発生するコストの内訳(作業料金・往復送料・梱包資材)
  • 単価帯で変わる送料負けの境界線と、外注して利益が残る商材の特徴
  • 「出品が遅れるコスト」を含めた損益分岐点の計算方法

外注で発生するコストの内訳

ささげ外注のコストは「委託料」「送料」「コミュニケーションコスト」の3つに分解できます。

委託料の相場

ささげ代行の料金は会社によって差がありますが、複数社の公開情報を比較すると1商品あたり1,300〜3,000円のレンジに収まります。

会社 撮影 採寸 原稿 合計目安
業界相場(複数メディア調べ) 500〜1,500円 300〜500円 約500円 1,300〜2,500円
オープンロジ(fleston例) 1,600円 300円 500円 2,400円
ごえん 1,000円〜 100円〜 別途 個別見積

※ スクロール360のEC運営note記事・ECのミカタ等の業界メディア、および各社公式サイトの公開料金より作成(2026年5月時点)。スクロール360・サイバーレコードのささげ単価は見積制で非公開。カット数やオプションにより変動

EC通販サイトのささげ業務とは? - スクロール360 www.scroll360.jp

往復送料の実額

ヤマト運輸の宅急便料金(2025年10月改定後、関東→関東、現金決済・税込)は以下の通りです。外注では往復分が必要なので、この2倍が実コストになります。

サイズ 片道 往復
60サイズ 940円 1,880円
80サイズ 1,230円 2,460円
100サイズ 1,530円 3,060円
120サイズ 2,040円 4,080円

※ ヤマト運輸公式運賃表(2025年10月1日改定)より。法人契約がある場合はこの金額より安くなることがある

宅急便運賃一覧表 - ヤマト運輸 www.kuronekoyamato.co.jp

60サイズの往復で1,880円。これに委託料2,400円を足すと、1商品あたりの外注コストは約4,300円です。この数字が損益分岐点を左右します。

送料負けする商材・しない商材

外注コスト約4,300円/商品を前提に、商材別の損益をシミュレーションしてみます。

商材例 販売価格 粗利率 粗利額 外注コスト 判定
古着1点 3,000円 30% 900円 4,300円 赤字
スニーカー 15,000円 35% 5,250円 4,300円 ギリギリ黒字
ブランドバッグ 50,000円 40% 20,000円 4,300円 余裕で黒字
高級時計 200,000円 30% 60,000円 4,300円 外注一択

古着のような低単価商材では、粗利900円に対して外注コスト4,300円。完全に赤字です。一方、ブランドバッグや時計なら外注コストは粗利の10〜20%に収まります。「高単価商材ほど外注が合理的になる」というのが、この表から読み取れる結論です。

「出品が遅れるコスト」を計算に入れる

送料だけで判断するとミスリードになる場合があります。見落としがちなのが「出品が遅れることによる機会損失」です。

未出品の在庫は、売れる可能性がゼロの死蔵品と同じです。月間100点を仕入れて、そのうち30点がささげ待ちで1週間滞留したとします。30点×1週間=30点分の4週間分の販売機会のうち25%を失っている計算です。

リユース大手のBuySell Technologiesは2024年12月期の連結売上高が1,006億円(前年比67.8%増)に達しています。この成長スピードで出品が追いつかなければ、機会損失の額は送料コストを大きく上回ります。

BuySell Technologies 企業情報 - バフェットコード www.buffett-code.com

高単価商材で出品が3日遅れた場合の機会損失と、外注コスト4,300円を比較してみてください。50,000円のバッグが3日早く売れていたら、その3日分の資金を次の仕入れに回せていたはずです。在庫回転率を加味すると、送料負けを恐れて内製にこだわるリスクの方が大きくなります。

内製+外注の「ハイブリッド運用」

「全部内製」か「全部外注」かの二択で考える必要はありません。商材の特性に合わせて内製と外注を使い分けるハイブリッド運用が、多くのEC事業者にとって現実的な選択肢です。

外注に向くのは、高単価で定型的な商材です。ジュエリーや時計は撮影アングルや採寸項目が標準化しやすく、指示書を一度作れば安定した品質で量をこなせます。

内製に残すべきは、状態説明が必要なリユース品です。バッグの角スレ、衣類のシミ、革の経年変化など、「どこにどんなダメージがあるか」を正確に伝えるには、実物を見ながら撮影・原稿作成する方が確実です。

もうひとつのパターンが、急な仕入れ増に対するオーバーフロー対応です。セール時期や催事後に仕入れが急増した場合、内製の処理能力を超えた分だけ外注に回す運用です。リユース事業のコンサルタント・近藤俊之氏もnoteで「ハイブリッド運用がEC運営における最適解になりうる」と述べています。

N 【リユース業界向け】ささげ代行の利用におけるコストと効率のバランス - リユース経営研究所 note.com/reantique

外注先の選び方で失敗しないために

外注先を選ぶときに最も重要なのは、その会社が得意とする商材ジャンルの確認です。アパレルに強い会社とリユース品に強い会社では、撮影ノウハウもチェック体制もまったく違います。

テスト依頼は必須です。5〜10点程度の商品でまず品質を確認してから本発注に移りましょう。テスト段階で「撮影アングルの指定どおりに仕上がっているか」「採寸の精度は十分か」「原稿のトーンは自社に合っているか」をチェックします。

指示書のテンプレートは、テスト依頼の前に準備しておくのがベストです。撮影アングル、背景色、レタッチの仕上げ方、採寸箇所、原稿の文体を一通り指定したテンプレートがあれば、外注先が変わっても品質を維持できます。

よくある質問

Q. ささげ外注で送料負けしない目安は?
A. 販売価格1万円以上の商材が目安です。往復送料(60サイズで1,880円)と委託料(2,000〜3,000円)の合計約5,000円を粗利で吸収できるラインが1万円前後になります。
Q. ささげ外注と商品撮影代行の違いは?
A. ささげ外注は撮影・採寸・原稿作成をセットで委託するサービスです。商品撮影代行は撮影工程だけの委託です。全工程を回す余裕がなければささげ代行、撮影だけがボトルネックなら撮影代行を選びましょう。
Q. ささげ外注の品質が安定しないのはなぜ?
A. 指示書が曖昧な場合に品質がブレやすくなります。撮影アングル、背景色、レタッチの仕上げ方、採寸箇所をテンプレート化して事前に共有し、テスト依頼で仕上がりを確認してから本発注に移ることで安定します。
Q. 外注先を乗り換えるタイミングは?
A. 品質のばらつきが3回以上続く場合、納期遅延が常態化している場合は乗り換えを検討するタイミングです。乗り換え先のテスト期間中は既存の外注先と並行運用し、出品が止まらないようにしましょう。
Q. 内製と外注のどちらがコストが安い?
A. 単純比較では内製が安く見えますが、人件費(月給20万〜40万円)、機材の償却費、撮影スペースの賃料を含めると差は縮まります。月間100SKU以上かつ高単価商材が中心であれば、外注の方がトータルコストが低くなるケースもあります。外注費用の具体的な相場は「ささげ業務代行の料金相場」にまとめています。
ツバサ

ツバサ

EC関連の会社で働いています。少人数の職場なので、ささげ業務の手配から画像の外注管理、ページ更新、バイトさんへの作業指示まで守備範囲は広めです。Photoshopは苦手なので本格的な画像加工は外注に出していますが、何社も試した分、業者選びや納品チェックには慣れました。このブログは仕事の中で身につけたことの記録です。