こんにちは、ツバサです。
ささげ業務の外注を検討したとき、最初にぶつかる壁が「往復送料」です。委託料に加えて商品を送って戻してもらう送料がかかるため、低単価商材では利益を食いつぶしてしまう。しかし、出品が遅れることによる機会損失まで計算に入れると、判断が変わる場面があります。
この記事では、ささげ外注にかかるコストの内訳を分解し、商材別の損益分岐点を計算しました。結論として、販売価格1万円以上の商材であれば外注は十分にペイします。
外注で発生するコストの内訳
ささげ外注のコストは「委託料」「送料」「コミュニケーションコスト」の3つに分解できます。
委託料の相場
ささげ代行の料金は会社によって差がありますが、複数社の公開情報を比較すると1商品あたり1,300〜3,000円のレンジに収まります。
| 会社 | 撮影 | 採寸 | 原稿 | 合計目安 |
|---|---|---|---|---|
| スクロール360 | 500〜1,500円 | 300〜500円 | 約500円 | 1,300〜2,500円 |
| サイバーレコード | 約1,500円 | 約500円 | 約500円 | 約2,500円 |
| オープンロジ(fleston例) | 1,600円 | 300円 | 500円 | 2,400円 |
| ごえん | 1,000円〜 | 100円〜 | 別途 | 個別見積 |
※ 各社公式サイトの公開情報より作成(2026年4月時点)。カット数やオプションにより変動
外 EC通販サイトのささげ業務とは? - スクロール360 www.scroll360.jp往復送料の実額
ヤマト運輸の宅急便料金(2025年10月改定後、関東→関東、現金決済・税込)は以下の通りです。外注では往復分が必要なので、この2倍が実コストになります。
| サイズ | 片道 | 往復 |
|---|---|---|
| 60サイズ | 940円 | 1,880円 |
| 80サイズ | 1,230円 | 2,460円 |
| 100サイズ | 1,530円 | 3,060円 |
| 120サイズ | 2,040円 | 4,080円 |
※ ヤマト運輸公式運賃表(2025年10月1日改定)より。法人契約がある場合はこの金額より安くなることがある
外 宅急便運賃一覧表 - ヤマト運輸 www.kuronekoyamato.co.jp60サイズの往復で1,880円。これに委託料2,400円を足すと、1商品あたりの外注コストは約4,300円です。この数字が損益分岐点を左右します。
送料負けする商材・しない商材
外注コスト約4,300円/商品を前提に、商材別の損益をシミュレーションしてみます。
| 商材例 | 販売価格 | 粗利率 | 粗利額 | 外注コスト | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 古着1点 | 3,000円 | 30% | 900円 | 4,300円 | 赤字 |
| スニーカー | 15,000円 | 35% | 5,250円 | 4,300円 | ギリギリ黒字 |
| ブランドバッグ | 50,000円 | 40% | 20,000円 | 4,300円 | 余裕で黒字 |
| 高級時計 | 200,000円 | 30% | 60,000円 | 4,300円 | 外注一択 |
古着のような低単価商材では、粗利900円に対して外注コスト4,300円。完全に赤字です。一方、ブランドバッグや時計なら外注コストは粗利の10〜20%に収まります。「高単価商材ほど外注が合理的になる」というのが、この表から読み取れる結論です。
「出品が遅れるコスト」を計算に入れる
送料だけで判断するとミスリードになる場合があります。見落としがちなのが「出品が遅れることによる機会損失」です。
未出品の在庫は、売れる可能性がゼロの死蔵品と同じです。月間100点を仕入れて、そのうち30点がささげ待ちで1週間滞留したとします。30点×1週間=30点分の4週間分の販売機会のうち25%を失っている計算です。
リユース大手のBuySell Technologiesは2024年12月期の連結売上高が1,006億円(前年比67.8%増)に達しています。この成長スピードで出品が追いつかなければ、機会損失の額は送料コストを大きく上回ります。
外 BuySell Technologies 企業情報 - バフェットコード www.buffett-code.com高単価商材で出品が3日遅れた場合の機会損失と、外注コスト4,300円を比較してみてください。50,000円のバッグが3日早く売れていたら、その3日分の資金を次の仕入れに回せていたはずです。在庫回転率を加味すると、送料負けを恐れて内製にこだわるリスクの方が大きくなります。
内製+外注の「ハイブリッド運用」
「全部内製」か「全部外注」かの二択で考える必要はありません。商材の特性に合わせて内製と外注を使い分けるハイブリッド運用が、多くのEC事業者にとって現実的な選択肢です。
外注に向くのは、高単価で定型的な商材です。ジュエリーや時計は撮影アングルや採寸項目が標準化しやすく、指示書を一度作れば安定した品質で量をこなせます。
内製に残すべきは、状態説明が必要なリユース品です。バッグの角スレ、衣類のシミ、革の経年変化など、「どこにどんなダメージがあるか」を正確に伝えるには、実物を見ながら撮影・原稿作成する方が確実です。
もうひとつのパターンが、急な仕入れ増に対するオーバーフロー対応です。セール時期や催事後に仕入れが急増した場合、内製の処理能力を超えた分だけ外注に回す運用です。リユース事業のコンサルタント・近藤俊之氏もnoteで「ハイブリッド運用がEC運営における最適解になりうる」と述べています。
N 【リユース業界向け】ささげ代行の利用におけるコストと効率のバランス - リユース経営研究所 note.com/reantique外注先の選び方で失敗しないために
外注先を選ぶときに最も重要なのは、その会社が得意とする商材ジャンルの確認です。アパレルに強い会社とリユース品に強い会社では、撮影ノウハウもチェック体制もまったく違います。
テスト依頼は必須です。5〜10点程度の商品でまず品質を確認してから本発注に移りましょう。テスト段階で「撮影アングルの指定どおりに仕上がっているか」「採寸の精度は十分か」「原稿のトーンは自社に合っているか」をチェックします。
指示書のテンプレートは、テスト依頼の前に準備しておくのがベストです。撮影アングル、背景色、レタッチの仕上げ方、採寸箇所、原稿の文体を一通り指定したテンプレートがあれば、外注先が変わっても品質を維持できます。