ツバサのメモ帳
静的サイトと動的サイトの違い|セキュリティで静的サイトが有利な理由

静的サイトと動的サイトの違い|セキュリティで静的サイトが有利な理由

2026年10月に大幅に改訂しました

2026年の秋は、企業からの情報流出のニュースが毎日のように続いた。サイト制作サービスのStudioでも不正アクセスが公表された。これを受けて、もともと「更新の手間」を中心に書いていたこの記事を、セキュリティの観点から書き直した。

情報流出のニュースが続くなかで、静的サイトがセキュリティで有利な理由と、それでも残る注意点を、GitHub Pagesでブログを運営している経験からまとめました。

この記事でわかること

  • 静的サイトがセキュリティで有利な3つの理由
  • 静的サイトでも残る4つの入口と、その対策
  • 静的サイトと動的サイトの仕組みとメリット・デメリット
  • 「静的サイトは更新が大変」をAIで解消する方法
  • 個人ブログにはどちらが向いているか

こんにちは、ツバサです。このブログはGitHub Pages(静的サイト)で運営している。ブログを始めるときに「初心者はWordPress一択」という記事をたくさん見たが、いろいろ考えた結果、静的サイトを選んだ。運営して半年以上が経ち、最近の情報流出のニュースを見て、この選択はセキュリティの面でも正しかったと感じている。静的サイトと動的サイトの違いを、自分の経験をまじえて整理しておきます。

静的サイトがセキュリティで有利な理由|WordPressの脆弱性とStudioの不正アクセスから考えた

2026年は、サイト制作に関わるセキュリティのニュースが続いた。7月にはWordPress本体に、ログインしていない第三者でもサイトを乗っ取れる脆弱性が見つかり、修正版(7.0.2など)が公開された(窓の杜)。10月には、ノーコードでサイトを作れるサービスStudioが、クラウド環境への不正アクセスを公表した。報道によると、対象は登録している利用者全員で、アカウント情報、フォームから送られた内容、外部サービスのAPIキーが漏れた可能性があるという(ITmedia NEWS)。

Studioでサイトを作っていた会社の中には、自社のフォームに送られた個人情報が漏れた可能性があると知らせたところもある。電動キックボードのLuupは、2022年から2025年までに4つのフォームへ送られた21,368件が対象になり得ると公表した(Luupのお知らせ)。今は使っていない古いフォームの送信内容も含まれていた点が、僕にはいちばん気になった。

こうしたニュースと照らし合わせると、静的サイトがセキュリティで有利な理由は3つある。

理由1:攻撃される場所が少ない

静的サイトはHTMLファイルを返すだけで、サーバーで動く自分のプログラムもデータベースもない。WordPressの脆弱性は、PHPで動くプログラムやデータベースへの問い合わせを悪用して、サイトを乗っ取ったり情報を抜き出したりするものが多い。そもそもプログラムもデータベースも置いていなければ、その種類の攻撃は成り立たない。

理由2:更新し忘れによる穴ができない

WordPressの脆弱性は、サイトの持ち主がサーバーで動いているプログラム(本体・プラグイン・テーマ)を更新して直す。更新を忘れているあいだは、攻撃できる状態が続く。プラグインを増やすほど、更新を見張る対象も増える。

GitHub Pagesなら配信の仕組みはGitHubが管理していて、僕が更新するプラグインはそもそも存在しない。本業の合間にブログを書いている身としては、ここがいちばんありがたい。

理由3:預かる個人情報がない

Studioのようなノーコードのサービスは、サーバーの管理を提供会社が引き受けてくれる。WordPressのような更新作業はいらないが、提供会社の側で漏れると、利用者には直す手段がない。できるのは、パスワードやAPIキーを変えることと、フォームに送られた内容の影響を確かめることくらいである。

配信をGitHubに任せているGitHub Pagesも、この点では同じ立場にある。違うのは預けている中身で、このブログがGitHubに置いているのは公開するためのHTMLと画像だけだ。お問い合わせフォームを置いていないので、読者から預かった個人情報はない。持っていない情報は漏れようがない。

静的サイトでも残る4つの入口

静的サイトが有利なのは狙われる場所が少ないからで、ゼロになるわけではない。静的サイトで気をつけている点を表にまとめた。

入口起きることやっていること
GitHubアカウントの乗っ取りリポジトリを書き換えられると、公開中のサイトの中身も書き換わる二段階認証を設定し、ほかのサービスとパスワードを使い回さない
アクセストークンの漏れAIツールや自動化のために発行した鍵が漏れると、持ち主と同じ操作ができてしまう使うリポジトリと権限を絞り、期限を付ける。URLや設定ファイルに書いたまま公開しない
リポジトリに置いたファイル公開リポジトリでは、サイトに表示していないメモや設定ファイル、変更の履歴まで誰でも見られるリポジトリには配信するファイルだけを置き、下書きやメモは別の場所で管理する
外部から読み込むものフォーム・コメント・計測タグなどを足すと、そのサービスの安全性に頼ることになる足すサービスを最小限にする。このブログが読み込んでいるのはアクセス解析と広告のタグだけ

表の最後の「外部から読み込むもの」は、静的サイトの有利さが小さくなる場面でもある。問い合わせフォームや会員登録が必要になると、外部のサービスを足すか、サーバーで動くプログラムを置くことになる。そのときは、Studioの件と同じように、預けた先の安全性に頼ることになる。

AIツールでサイトを作るようになると、AIにリポジトリへの書き込みを任せる場面が増える。便利な分、アクセストークンや作業用のファイルの扱いを間違えたときの影響も大きくなる。AIが作ったHTMLの中身は人間が確かめられるが、AIに渡した鍵の範囲は自分で決めるしかない。

静的サイトが有利なのは、守る場所が少なくて、はっきりしているから。サーバーやプラグインの更新に追われない分、アカウント・鍵・リポジトリの中身の3つに注意を集中できる。Webの専門家でなくても安全に管理しやすいのは、この守る場所の少なさが大きいと思っている。

静的サイトと動的サイトの仕組みの違い

静的サイトは、あらかじめ作られたHTMLファイルをそのまま表示するサイトである。ユーザーがページにアクセスすると、サーバーに保存されたHTMLがそのまま返される。誰がいつ見ても同じ内容が表示される。

動的サイトは、アクセスのたびにサーバー側でページを生成する。データベースからコンテンツを取り出し、PHPなどのプログラムでHTMLを組み立てて返す。ログイン状態や検索条件によって表示内容が変わるのが特徴である。

WordPressは動的サイトの代表格で、管理画面からテキストを入力すると、裏側でデータベースに保存され、アクセスのたびにHTMLに変換される。GitHub Pagesは静的サイトの代表格で、HTMLファイルをGitHubのリポジトリに置くだけで公開される。

静的サイトと動的サイトのメリット・デメリット比較

比較項目静的サイト動的サイト(WordPress等)
セキュリティ有利。狙われる場所が少ない(DBやサーバー側のプログラムがない)本体・プラグイン・テーマの更新を続ける必要がある
表示速度速い(HTMLをそのまま返す)やや遅い(サーバー処理が入る)
サーバー費用無料〜月数百円月500〜1,500円程度
更新のしやすさHTMLの編集が必要管理画面から投稿できる
プラグイン・機能拡張自分で実装するプラグインで追加できる
SEO対策の自由度HTML直接編集で完全にコントロール可能テーマやプラグインに依存する

静的サイトの強みはセキュリティ、表示速度、コストの3点である。GitHub Pagesは無料で使え、独自ドメインもHTTPSも対応している。WordPressのようにPHPのバージョンアップやプラグインの互換性を気にする必要がない。

一方、動的サイトの強みは更新の手軽さと機能拡張のしやすさである。管理画面から記事を書いて「公開」ボタンを押すだけで完了するWordPressの手軽さは、静的サイトでは再現しにくい。お問い合わせフォーム、コメント欄、検索機能なども、WordPressならプラグインで簡単に追加できる。

「更新が大変」は本当か? AIで変わった前提

静的サイトのデメリットとしてほぼ必ず挙がるのが「更新にHTMLの知識が必要」「記事を追加するたびにファイルを手作業で編集する」という点である。これは2024年以前なら正しかった。

しかし2025年以降、AIコーディングツールの登場でこの前提が変わっている。たとえばClaude Codeのようなターミナルベースのツールを使えば、「記事のHTMLを生成して、サイトマップとアーカイブページも更新して、コミットして」と日本語で指示するだけで、必要なファイルの生成・編集・gitコミットまでが一度に完了する。

このブログでは実際に、記事のHTML作成、SVGサムネイル生成、sitemap.xml更新、archive.html更新、llms.txt更新、検索インデックス再生成の6ファイル同時更新をAIに指示する形で運営している。1記事追加にかかる作業時間は、テーマ決めと内容の確認を除けば数分程度である。

HTMLの書き方を知らなくても「こういう内容の記事を書いて」と指示すれば、サイトの既存デザインに合ったHTMLファイルが出てくる。FAQ構造化データ(JSON-LD)やmeta descriptionの設定も、ルールを一度伝えておけばAIが毎回自動で入れてくれる。

ただし注意点もある。AIに任せきりにすると、内容の正確性やリンク先の整合性を見落とすリスクがある。最終的な確認は人間がやる必要がある。また、git操作やGitHub Pagesの初期設定には最低限のコマンドラインの知識が要る。「完全にゼロ知識でもできる」とは言えないが、「WordPressの管理画面を覚える程度の学習コスト」で済むようになっている。

静的サイトがSEOに有利な場面

静的サイトではHTMLを直接編集するため、SEO関連のタグを完全にコントロールできる。WordPressではテーマやプラグインの仕様に制約されることがあるが、静的サイトにはそれがない。

たとえば、このブログでは各記事にFAQ構造化データ(JSON-LD)を設置しているが、そのフォーマットや質問の内容を1文字単位で管理できる。WordPressでJSON-LDを入れようとすると、プラグインの出力形式に合わせる必要があったり、テーマ更新で上書きされるリスクがある。

また、llms.txtのようなAI向けのファイルも、リポジトリのルートに置くだけで公開できる。WordPressだとルートにファイルを置く操作がやや手間になる。

個人ブログには静的サイトと動的サイトのどちらが向いているか

情報流出のニュースが続く今、僕は個人ブログには静的サイトをすすめたい。いちばんの理由はセキュリティで、更新の手間はAIでほとんど解消できるようになった。

優先することおすすめ
セキュリティ、表示速度、コスト最小化GitHub Pages(静的サイト)
SEO・LLMOの細かいコントロールGitHub Pages(静的サイト)
AIツールを使える環境があるGitHub Pages(静的サイト)。更新の手間という弱点が消える
会員登録・コメント・問い合わせフォームが必要WordPress(動的サイト)か外部サービス。どちらも更新と預け先の確認が必要
AIツールを使わず、管理画面だけで更新したいWordPress(動的サイト)

反対に、会員登録や問い合わせフォームのように、読者の情報を受け取る機能が中心のサイトは静的サイトだけでは作れない。その場合は、WordPressの本体とプラグインの更新を欠かさないか、預け先のサービスがどう守っているかを確かめたうえで選ぶことになる。

FAQ

Q. 静的サイトと動的サイトの違いは何ですか?

A. 静的サイトはあらかじめ作られたHTMLをそのまま表示するサイトです。動的サイトはアクセスのたびにサーバー側でページを生成します。WordPressは動的サイト、GitHub Pagesは静的サイトの代表例です。

Q. セキュリティ面では静的サイトと動的サイトのどちらが有利ですか?

A. 静的サイトが有利です。サーバーで動くプログラムやデータベースがないため、WordPressの本体やプラグインの脆弱性を突く攻撃が成り立たず、更新し忘れによる穴もできません。問い合わせフォームなどで読者の個人情報を預からなければ、漏れる情報自体がありません。

Q. 静的サイトなら不正アクセスの心配はありませんか?

A. 狙われる場所は少なくなりますが、ゼロではありません。GitHubなど管理用アカウントの乗っ取り、アクセストークンの漏れ、公開してはいけないファイルをリポジトリに置くこと、外部のフォームや計測タグから漏れることは起こり得ます。二段階認証の設定、トークンの権限と期限を絞ること、リポジトリにサイトのファイル以外を置かないことが基本です。

Q. 静的サイトのデメリットは何ですか?

A. 更新のたびにHTMLファイルを編集する必要がある点が最大のデメリットとされています。会員登録やコメント、問い合わせフォームのような機能は、静的サイトだけでは作れません。ただし2025年以降はAIコーディングツールを使えば自然言語で指示するだけでHTMLの生成・編集ができ、非エンジニアでも運営のハードルは大きく下がっています。

Q. GitHub Pagesとは何ですか?

A. GitHubが提供する無料の静的サイトホスティングサービスです。HTMLファイルをリポジトリに置くだけでWebサイトとして公開でき、独自ドメインやHTTPSにも対応しています。

Q. 個人ブログを始めるなら静的サイトと動的サイトどちらがいいですか?

A. セキュリティを重視するなら静的サイト(GitHub Pagesなど)をおすすめします。AIコーディングツールが使える環境なら、静的サイトの弱点だった更新の手間も大幅に下がります。会員登録や問い合わせフォームが中心のサイトなら、WordPressか外部サービスを、更新と預け先の確認を前提に選びます。

ツバサ

ツバサ

EC関連の会社で働いています。少人数の職場なので、ささげ業務の手配から画像の外注管理、ページ更新、バイトさんへの作業指示まで守備範囲は広めです。Photoshopは苦手なので本格的な画像加工は外注に出していますが、何社も試した分、業者選びや納品チェックには慣れました。このブログは仕事の中で身につけたことの記録です。