こんにちは、ツバサです。
EC商品の撮影を自社でやる場合、撮影ボックスで済む小物・雑貨と、スタジオが必要なアパレルや大型商品で話が全然違う。特にモデル撮影やイメージカットをやるとなると、白ホリゾント(壁と床の継ぎ目がR曲面でつながった白い撮影空間)のあるスタジオが必要になる。
都内だけでも白ホリスタジオは数百件以上あり、1時間1,500円台から30,000円超まで幅が広い。調べた結果をまとめた。
レンタル撮影スタジオの3つの価格帯
インスタベースの調査では、東京都の白ホリ付き撮影スタジオの平均利用料金は1時間あたり約5,220円とされている(インスタベース)。ただし実際には、スタジオの規模・設備・立地によって明確な3階層に分かれる。
| 価格帯 | 1時間あたり | 広さの目安 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 格安・コンパクト | 1,500〜4,000円 | 20〜60㎡ | 小物物撮り、バストアップ撮影、SNS向け動画 |
| 標準・プロユース | 4,000〜8,000円 | 40〜100㎡ | アパレルEC全身撮影、モデル撮影、対談収録 |
| 大型・ハイエンド | 10,000〜30,000円 | 150㎡以上 | MV、CM、大型セット建て込み、車両撮影 |
EC商品撮影のほとんどは「格安・コンパクト」か「標準・プロユース」で事足りる。大型家具やモデル10人以上の撮影でなければ、1時間3,000〜5,000円のスタジオで十分だ。
見落としがちな追加コスト
スタジオの料金を比較するとき、表面的な「1時間○円」だけ見ていると判断を誤る。EC撮影で実際にかかるトータルコストには、以下の隠れた費用が含まれる。
バック紙(背景紙)の消費費用
白ホリゾント以外の背景色が必要な場合、バック紙を使う。2.7m幅のバック紙は1mあたり1,650〜2,530円が都内の相場で、全身撮影で床まで敷き込むと1回の撮影で数メートル消費する。これだけで数千円〜1万円近い追加コストになる。
この点で代々木のbelukha(ベルカ)は12色の背景紙が基本料金内で無料使い放題という設計で、トータルコストの抑制に優れている(belukha)。スタジオルミスも一部カラーの背景紙を常備しているが、利用料は1mあたり1,650円(11色展開)とのことである。
撮影機材のレンタル費
スタジオによって「機材込み」と「機材別料金」のどちらかが採用されている。STUDIO 4696のように機材コミコミで一律料金のスタジオと、スタジオレンズマンのように基本料+1,100円/時で機材使い放題のスタジオがある(スタジオレンズマン)。機材を自前で持ち込めるかどうかで実質コストが大きく変わる。
深夜・早朝の割増料金
ECの新作リリースに合わせた深夜撮影は珍しくない。スタジオルミスは24時間営業で深夜8時間33,000円のパックを提供しており、スタジオレンズマンも0時〜6時の深夜パック39,600円がある。パックを適用しない通常延長の場合は50%割増になるケースもあるため、事前確認が必須だ。
商品搬入の手間(エレベーターの有無)
アパレル撮影では数十着の衣装とハンガーラック、スチームアイロンなどを持ち込む。都心の雑居ビル上階のスタジオでエレベーターがないと、階段での手運びに体力と時間を取られる。スタジオレンズマンはエレベーター完備が六本木店のみで、他店舗は階段利用となる。搬入出の手間は人件費に直結するので、スタジオ選びの見落としがちな重要ポイントだ。
EC商品撮影でスタジオを選ぶ5つの基準
① 白ホリゾントのR構造があるか
床と壁のつなぎ目がR曲面でつながっていれば、写真に継ぎ目が写らず白抜き加工が不要になる。EC商品撮影にはほぼ必須の設備。バック紙でR構造を再現しているスタジオもあるが、大型商品には塗装仕上げのほうが安定する。
② 機材が料金に含まれているか
ストロボ、LEDライト、ソフトボックス、三脚などの基本機材が込みかどうかで実質コストが変わる。自分で照明機材を持っていないなら「機材コミ」のスタジオを選ぶのが鉄則。
③ 搬入しやすいか(エレベーター・1階路面・駐車場)
1階路面でシャッター付きなら車を横付けして搬入できる。ソムリエスタジオ(池袋・要町)は大きなシャッター付きの搬入口を備えており、大型商品の搬入に便利(ソムリエスタジオ)。スタジオクォーツ(戸田市)は4台分の無料駐車場があり、ハイエースクラスから直接搬入できる(スタジオクォーツ)。
④ 駅からのアクセス
商品を手持ちで運ぶ場合は駅近が必須。belukhaは代々木駅から徒歩1分、STUDIO 4696の青山店は外苑前駅から徒歩4分。「駅から何分か」と「駐車場の有無」の両方を確認しておきたい。
⑤ 最低利用時間の設定
EC物撮りなら1〜2時間で済むことも多い。「最低3時間以上」の縛りがあると無駄が出る。STUDIO 4696やbelukhaは最低利用時間の設定がない。
EC商品撮影向きのスタジオ一覧(都内・首都圏)
【格安・コンパクト層】1,500〜4,000円/時
STUDIO 4696(シロクロ)
https://4696.studio/白ホリと黒ホリの両方を備えた格安レンタルスタジオ。中目黒・青山・池袋・川崎・横浜の5拠点。機材コミコミの一律料金で、川崎店は1時間3,480円、中目黒・青山店は4,480円。黒背景も無料(無反射植毛布)。ムービー・商用・深夜でも追加料金なし。最低利用時間の設定なし。EC商品撮影にちょうどいいサイズ感。
広さ:25〜72㎡ / 天井高:2.4〜3.0m / アクセス:中目黒徒歩7分・外苑前徒歩4分
バズスタ
https://buzzsta.jp/新宿・赤坂など都心部に展開する格安スタジオ。30分1,500円(1時間換算3,000円)から。機材・小道具が無料で使える点が強み。小物の物撮りやバストアップ撮影にはコスパが高い。
広さ:コンパクト / アクセス:新宿・赤坂の都心立地
Studio HISOKA
インスタベースで検索外苑前駅から徒歩4分。1時間1,834円からという低価格ながら、Profoto製ストロボや高速Wi-Fiを完備。ECの小物撮影やライブコマース配信に特化した運用が可能。引きに限界があるため全身撮影よりも卓上物撮り向き。
広さ:コンパクト / アクセス:外苑前徒歩4分
【標準・プロユース層】4,000〜8,000円/時
スタジオレンズマン
https://www.lensman.co.jp/渋谷・六本木・青山・新宿・芝公園に展開する白ホリスタジオ。基本料4,500円/時+機材使い放題1,100円/時=合計5,600円/時でProfoto製ストロボ等がフルで使える。法人向けNP掛け払い(請求書払い)に全店対応。土日祝6時間パック28,600円もある。スタジオ初心者向けの機材講習「安心マン」(30分1,650円)も提供。エレベーターは六本木店のみなので搬入に注意。
広さ:24〜42㎡ / 天井高:3.0〜3.8m / アクセス:各ターミナル駅から好アクセス
スタジオルミス
https://lumisu.jp/渋谷・青山・新宿エリアに6店舗を展開。1時間3,500〜4,500円と手頃な価格設定で、LED照明を含む基本機材が無料使い放題。24時間営業で深夜帯の撮影にも対応。アパレルEC向けにメイクルーム・スチームアイロンも無料。「ルミスグランド新宿」には専用試着室もあり、モデルチェンジの多いアパレル撮影に完全対応。青山店は90㎡・幅5m超の3面Rホリゾントを備える。
広さ:40〜90㎡ / 天井高:2.8m〜 / 営業:24時間
belukha(ベルカ)
https://belukha.jp/代々木駅から徒歩1分。1時間4,950〜10,989円で天井高3m・引き8m。最大の特徴は12色の背景紙と55インチ4Kモニターがすべて無料で利用可能な点。テザー撮影(PCに接続しながら画像確認)の環境が標準で整っている。
広さ:引き8m・天井高3m / アクセス:代々木駅徒歩1分
saut studio(ソウスタジオ)
https://saut-studio.com/南青山に位置する自然光スタジオ。1時間4,840〜6,930円。42㎡の空間に白壁+無垢材ヘリンボーン床を組み合わせ、自然光をたっぷり取り込める。アパレルのルックブック撮影に最適。エレベーター完備で搬入もスムーズ。
広さ:42㎡ / アクセス:南青山 / エレベーター完備
Pico神楽坂
検索サイトで確認1時間4,290円で、映画やハイエンドCMの世界標準であるARRI製照明機材が格安で使えるスタジオ。4面Rホリゾントのコンパクトな空間で、照明品質に一切妥協できないコスメ・ジュエリー・時計の物撮りに最適。神楽坂駅から徒歩5分。
広さ:コンパクト / 設備:ARRI照明 / アクセス:神楽坂徒歩5分
【大型・ハイエンド層】10,000円〜/時
スタジオクォーツ(Studio Quartz)
https://studioquartz.jp/埼玉県戸田市の郊外型スタジオだが、都心のハイエンドに匹敵するスペックを標準価格帯で提供する異色の存在。10m×8.8m×天井高5mの大型白ホリゾントに加え、黒ホリ、8段白階段、ガラスブロック壁、ヨーロピアンセットなどを1施設内に集約。天井常設のAputure NOVA P600c(8台)が基本料金内で使え、色温度を瞬時に変更可能。白背景の商品カットとイメージカットを同一スタジオで撮影完了できる。無料駐車場4台・1階路面・有線LAN完備。
広さ:約230㎡ / 天井高:5m / 料金:平日11,000〜15,000円/時 / アクセス:戸田市(車アクセス前提)
ソムリエスタジオ
https://www.somalierstudio.com/池袋から1駅(要町駅)。天井高3.6m・床面積100㎡の白ホリスタジオ。大きなシャッター付き搬入口で大型商品の搬入が容易。レンタル機材が豊富で、スタジオ初心者にはスタッフがサポートしてくれる。商品撮影の代行プランもあり、「スタジオだけ借りて自分で撮る」「撮影もまとめて依頼する」の両方に対応。
広さ:100㎡ / 天井高:3.6m / アクセス:要町駅(池袋1駅)
【スタジオ検索サイト】
白ホリドットコム
https://shirohori.com/R構造の白ホリゾントスタジオに特化した検索サイト。広さ・天井高・料金・設備で絞り込み検索が可能。バック紙による疑似白ホリと塗装仕上げの本格白ホリを区別して探せる。
インスタベース
https://www.instabase.jp/レンタルスペースの総合検索サイト。白ホリ付きスタジオを「エリア」「料金」「設備」で絞り込み、口コミを見て予約できる。掲載数が多く穴場を見つけやすい。
スタジオを借りる前の持ち物チェックリスト
・カメラ(またはスマホ):スタジオの機材にカメラは含まれないことがほとんど
・SDカード(予備含む):64GB以上を推奨。SDカードの選び方は「SDカードの選び方」にまとめてある
・商品と撮影小物:イメージカット用の小物や背景布も自前で持ち込む
・ノートPC or タブレット:テザー撮影をする場合。belukhaのように4Kモニター常設のスタジオなら不要な場合も
・スチームアイロン:アパレル撮影の場合。ルミスのように無料貸出しているスタジオもある
・養生テープ・ガムテープ:商品の固定や小物の仮止めに便利
背景白抜きの方法は「写真の背景を白抜きにする方法まとめ」、レタッチの外注は「レタッチ外注サービス比較」を参照。
よくある質問
Q. EC商品撮影でレンタルスタジオを借りる必要はありますか?
小物や雑貨の白背景撮影なら撮影ボックスで十分です。スタジオが必要になるのは、アパレルのモデル全身撮影、大型商品の撮影、イメージカット撮影など、自宅やオフィスのスペースでは対応できない場合です。
Q. レンタルスタジオの料金相場はどのくらいですか?
格安コンパクト層は機材込み1時間1,500〜4,000円、標準プロユース層は4,000〜8,000円、大型ハイエンド層は10,000〜30,000円程度です。EC商品撮影のほとんどは格安〜標準の価格帯で対応できます。
Q. バック紙(背景紙)の費用はどのくらいかかりますか?
2.7m幅のバック紙は1mあたり1,650〜2,530円が相場です。全身撮影で床まで敷き込むと1回で数千円〜1万円近くかかります。belukhaのように12色の背景紙が基本料金内で無料のスタジオを選ぶとこの費用を抑えられます。
Q. 白ホリゾントと白背景布は何が違いますか?
白ホリゾントは床と壁のつなぎ目がR構造(曲面)になっている塗装仕上げの撮影空間で、継ぎ目が写真に写りません。白背景布やバック紙はシワや影が出やすい反面、コストは低く抑えられます。白ホリドットコムでR構造の有無を確認して探すのが確実です。
Q. 物撮りに必要なスタジオの広さはどのくらいですか?
小〜中型商品の物撮りなら20〜50㎡で十分です。モデルの全身撮影を行う場合は引き(カメラから被写体までの距離)5m以上が目安。天井高は2.5m以上あるとトップライトが組め、ライティングの自由度が上がります。
Q. スタジオに自分の機材を持ち込めますか?
ほぼすべてのスタジオで持ち込み可能です。ただしカメラはレンタルに含まれないことがほとんどなので自分で用意してください。スタジオ常設の機材と自前の機材を組み合わせて使うのが一般的です。