クリッピングパスとは
クリッピングパスは、Photoshopのペンツールで対象物の輪郭をなぞって作るベクトルの線(パス)のこと。このパスの内側だけを表示し、外側を透明として扱う機能だ。英語ではClipping Pathと書く。
もともとは印刷・DTP業界の技術で、IllustratorやInDesignに画像を配置したときに背景を切り抜いた状態で扱えるようにするために使われていた。EC商品画像の切り抜き外注でも、納品形式として「パス付きPSD」が指定されることがある。
切り抜き外注サービスの切り抜きPHOTOは、クリッピングパスを使った切り抜きを標準の納品方式として採用している。吉田印刷所の技術解説によると、パスを保存した後にPhotoshopの「クリッピングパス」設定を行い、EPSまたはPSD形式で保存するのが基本的な手順だ。
外 切り抜きPHOTO gen-zo.com 外 吉田印刷所 ddc.co.jpEC実務で出てくる場面
切り抜き外注の見積もりに「クリッピングパス作成」や「パス付き納品」と書かれていることがある。これは切り抜いた画像のパス情報をPSDファイルに残して納品するという意味で、受け取った側がパスの微修正をしやすいメリットがある。
EC商品画像をWeb用(JPEG/PNG)にしか使わない場合は、パス情報がなくても問題ない。しかし同じ商品画像を紙のカタログやチラシに流用する可能性があるなら、パス付きで納品してもらうと後の作業が楽になる。
写真加工屋さんと切り抜きjpの比較記事で取り上げた両社とも、パス付き納品に対応している。切り抜きjpでは1枚あたり39円〜の基本料金にパス作成が含まれる。
ツ 写真加工屋さんと切り抜きjpの比較記事 tsubasa-memo.github.io/glossary/shashinkakouyasan-vs-kirinukijp.html覚えておきたいポイント
クリッピングパスはベクトルデータなので、輪郭がくっきりした商品(箱、ボトル、家電など)の切り抜きに向いている。逆に、人物の髪の毛やファーのような複雑な輪郭にはパスを引く手間が膨大になるため、マスク処理の方が効率的だ。
最近はRemove.bgなどのAI自動切り抜きツールが普及し、Web用途ではクリッピングパスを意識する機会が減った。ただし印刷向けの高精度な切り抜きや、外注先とのデータ受け渡しではまだ現役の技術なので、見積もりに出てきたときに意味がわかる程度には押さえておきたい。
クリッピングパスとマスクの違い
クリッピングパスとマスクは「画像の一部を非表示にする」という目的は同じだが、仕組みが違う。
クリッピングパスはベクトルデータ(数式で定義される線)で切り抜き範囲を指定する。拡大しても劣化しない、修正が容易、DTPソフトとの互換性が高いという特長がある。ただし境界は常にくっきりした線になるため、ぼかしや半透明の表現はできない。
マスク(レイヤーマスク)はピクセルデータ(白黒の画像)で表示・非表示を制御する。白い部分が表示、黒い部分が非表示、灰色の部分が半透明になる。髪の毛や煙のような曖昧な境界も自然に処理できるが、拡大すると画質が落ちる場合がある。
CodeCampの解説では、クリッピングパスとレイヤーマスク、ベクトルマスクの3つの違いが整理されている。EC実務では「商品本体の切り抜きはパス、モデルの髪はマスク」と使い分けるのが合理的だ。
外 CodeCampの解説 trends.codecamp.jpよくある質問
関連する作業として、納品形式のPSDや、Photoshop作業の基本であるレイヤーもまとめている。
ツ PSD|Photoshopの編集データを保持できる形式 tsubasa-memo.github.io/glossary/psd.html ツ レイヤー|Photoshopの基本概念 tsubasa-memo.github.io/glossary/layer.html