こんにちは、ツバサです。
EC用の商品画像を外注しようと調べると、画像切り抜きの代行サービスが意外と多いことに気づく。前回「EC向け画像加工の外注サービス5選」で切り抜き専門サービスを比較したが、あの記事で取り上げたのは1枚から少量で頼めるサービスが中心だった。
その後、継続的にまとまった枚数を出せる外注先を探す過程で、写真加工屋さんというサービスに行き着いた。法人向けに特化していて、切り抜きだけでなくレタッチまで対応している。一方、前回の記事でも紹介した切り抜きjpは、切り抜き専門の最大手で、1枚からでも即日で頼める。
この2つはどちらも「画像の切り抜き」を依頼できるサービスだが、中を開いてみると立て付けがまるで違う。切り抜きjpは切り抜きに完全特化した専門店、写真加工屋さんは切り抜きを含む画像加工全般をカバーする総合型。料金の設計思想も、最低発注枚数も、得意な切り抜き方式も異なる。
この記事では、2026年4月の切り抜きjp価格改定後の最新データをもとに、両社の違いを料金・オプション・発注条件・対応範囲で整理する。結論から言うと、どちらが上かという話ではなく、「何を」「どのくらいの量で」「どんな頻度で」頼みたいかによって向き不向きが分かれる。
もくじ
切り抜きjpの特徴(切り抜き特化×24時間稼働の大量処理型)
切り抜きjpは画像切り抜き代行サービスである。「切り抜き」に完全特化しており、レタッチや色補正といった加工は提供していない。
24時間3交代制で稼働しており、即日〜翌午前中の納品に対応できる。納期の速さは業界でもトップクラスで、数枚程度の案件なら2〜3時間で上がってくることもある。
発注は1枚から可能。発注フォームに画像をアップロードし、切り抜き指示を出せば完結するセルフサービス型で、営業担当とのやり取りなしに発注できる。無料トライアル(3点まで)があり、会員登録不要で見積もりも取れる。
切り抜きの方式はクリッピングパスが標準である。印刷物向けのパスデータが必要な場合、切り抜きjpの仕上がりはそのまま使える。色補正用の分割パス作成にも対応しており、印刷業界やカタログ制作会社からの利用が多いのはこの点が大きい。
電話サポートは平日8:30〜22:00、土曜8:30〜19:00、祝日8:30〜17:00と幅広い。
切り抜きjp 基本情報
- 料金:Aランク120円〜(2026年4月改定後)
- 対応:1枚から、即日〜翌午前中納品
- 公式サイト:https://kirinuki.jp/
写真加工屋さんの特徴(オプション込み一律料金の法人向け総合型)
写真加工屋さんは法人向けの写真加工・レタッチサービスである。切り抜きだけでなく、人物レタッチ(肌補正・体型補正・髪の毛処理)、不動産写真加工、不要物除去、AIモデル生成まで幅広いサービスを展開している。
切り抜き方式はマスク処理が標準で、クリッピングパスは通常使用していない(要望があればオプションで対応)。人物の髪の毛や毛皮製品など、複雑な輪郭の被写体をパスで切り抜くと時間がかかる上に精度が落ちるそうで、マスク処理のほうが仕上がりが自然になる。切り抜きjpでもマスク処理は対応しているが、標準のクリッピングパスとは別に追加料金がかかる。マスク切り抜きが多い案件では、マスクが標準仕様の写真加工屋さんのほうがコスト的に有利になる。
料金設計の最大の特徴は、トリミング・リサイズ・影イキ(影を残した切り抜き)・ハンガー消しが切り抜き料金に含まれている点である。EC用途ではトリミングやリサイズがセットで必要になることが多く、商品によっては影イキやハンガー消しも発生する。他社ではこうしたオプションが1つずつ別料金になるが、写真加工屋さんは追加料金なしで込みになっている。
最低発注枚数は300枚からで、少量の単発案件には対応していない。法人の継続取引を前提としたサービスであり、毎週・毎月まとまった枚数を出す案件に最適化されている。継続発注にはボリュームディスカウントも適用される。
切り抜きだけでなくレタッチまで1社でまとめて依頼できるため、外注先の管理工数を減らせる。アパレルモデル写真の切り抜き+肌補正、商品写真の切り抜き+不要物除去といった複合案件を、別々の業者に分けて発注する必要がない。
写真加工屋さん 基本情報
- 料金:Aランク70円〜(トリミング・影イキ・リサイズ込み)
- 対象:法人BtoB限定、300枚以上
- 対応範囲:切り抜き、人物レタッチ、不動産写真加工、不要物除去、AIモデル生成
- 公式サイト:https://shashinkakouyasan.com/
料金で比較|2026年4月改定後の最新データ
切り抜きjpは2026年4月4日に価格改定を実施した。Aランクは100円→120円(+20%)、Bランクは200円→310円(+55%)、Cランクは400円→620円(+55%)と、特にBランク以上の上がり幅が大きい。この改定後の料金で比較する。
切り抜き単価の比較(税抜)
| ランク | 所要時間 | 切り抜きjp | 写真加工屋さん |
|---|---|---|---|
| Aランク | 6分以内 | 120円 | 70円 |
| Bランク | 6〜15分 | 310円 | 140円 |
| Cランク | 15〜30分 | 620円 | 230円 |
| 30分以上 | − | 1,300円〜 | 要見積もり |
切り抜き単価だけでも差があるが、EC実務で必要になるオプション加工を含めるとさらに開く。
オプション込みのトータルコスト
EC用の商品画像を外注するとき、切り抜きだけで完結する場合もあるが、トリミング(サイズを揃える)やリサイズ(ピクセル数の変更)はセットで発生しやすい。影イキ(自然な影を残す)は商品や用途によって必要になるオプションで、影なしの白抜きだけで済ませるケースもある。
切り抜きjpのオプション料金:影イキ +120円(税抜)、ドロップシャドウ +30円(税抜)、トリミング 要見積もり、リサイズ 要見積もり。背景色変更・ファイル形式変換・解像度変更・CMYK変換は無料。
写真加工屋さんのオプション料金:トリミング・リサイズ・影イキ・ハンガー消しは切り抜き料金に含まれている(追加料金なし)。
たとえばAランクの商品画像に「切り抜き+影イキ」を依頼した場合のトータルコストは以下のとおり。
| 項目 | 切り抜きjp | 写真加工屋さん |
|---|---|---|
| Aランク切り抜き+影イキ | 120円+120円=240円 | 70円(影イキ込み) |
| Bランク切り抜き+影イキ | 310円+120円=430円 | 140円(影イキ込み) |
同じ作業内容でAランク1枚あたり170円の差が出る。これが月間500枚なら85,000円、1,000枚なら170,000円の差になる。Bランクで同じ計算をすると、1枚あたり290円差。月間500枚で145,000円の差である。
影イキが不要で白抜きだけの場合でも、切り抜き単価自体にAランクで50円(120円 vs 70円)、Bランクで170円(310円 vs 140円)の差がある。影イキを付ける案件が混ざるとその差がさらに広がる構造だ。
ただし、この比較は最低発注枚数の条件をクリアしている場合に限る。写真加工屋さんの最低発注枚数は300枚であり、それ以下の枚数では依頼できない。月間発注枚数が300枚に満たない場合、この価格差は関係なくなる。
切り抜き方式の違いに注意
料金以前に、切り抜きの方式が違う点は見落としやすい。
切り抜きjpの標準はクリッピングパスである。パスデータが付いた状態で納品されるため、印刷物のDTPワークフローにそのまま組み込める。色補正用の分割パス作成も可能で、カタログ制作やプリプレス工程では重宝する。ただし、マスク処理を希望する場合は別途見積もりが必要で、標準料金にマスク分の追加料金が上乗せされる。
写真加工屋さんの標準はマスク処理である。髪の毛・毛皮・レースなどの複雑な輪郭は、パスで切り抜くと時間がかかる上に精度が落ちるそうだ。マスク処理ならこうした被写体でも自然な仕上がりになる。逆に、クリッピングパスが必要な場合はオプション扱いとなる。
つまり、標準の切り抜き方式が逆になっている。クリッピングパスが必要なら切り抜きjpが追加料金なし、マスク処理が必要なら写真加工屋さんが追加料金なし。どちらの方式が必要かは、最終的な用途と被写体の性質で決まる。
切り抜きjpが向いているケース
以下のような状況なら、切り抜きjpのほうが合う。
クリッピングパスが必要な場合。印刷用のカタログ・チラシ・ポスターで使う画像は、DTP上でパスデータが求められることが多い。切り抜きjpはクリッピングパスが標準仕様なので、印刷向けのワークフローにそのまま乗る。色補正用の分割パス作成もできる。
1枚〜少量の単発案件。写真加工屋さんの最低発注枚数は300枚なので、「数枚だけ急ぎで切り抜きたい」という使い方には対応していない。切り抜きjpは1枚から受け付けており、無料トライアル(3点)もあるため、小ロットの案件や初回テストに向いている。
即日納品が絶対条件の場合。24時間3交代制で回しているため、夕方に入稿しても翌朝には上がってくる。少量なら2〜3時間で納品されることもある。撮影当日にECサイトに掲載したいといった、納期が最優先の案件では切り抜きjpの対応速度が活きる。
形状がシンプルな商品が中心の場合。バッグ・靴・家電・食器など、輪郭がはっきりしていてパスで抜ける商品なら、切り抜きjpのAランク120円で対応できる。EC用途でも影イキが不要で白抜きだけでよいなら、オプション料金もかからない。
写真加工屋さんが向いているケース
次のような状況なら、写真加工屋さんのほうが合う。
月間300枚以上の継続案件がある場合。写真加工屋さんは大口の継続取引に最適化されたサービスで、大量案件を安定した品質と短納期でさばける。ボリュームディスカウントも適用されるため、枚数が増えるほどコスト効率が上がる。
オプション込みのトータルコストを抑えたい場合。切り抜きjpではトリミング・リサイズが要見積もり、影イキが+120円と、オプションごとに料金が積み上がる。写真加工屋さんはこれらが切り抜き料金に含まれているため、Aランクで70円、Bランクで140円のままで済む。影イキが不要な案件でも切り抜き単価自体に差があるが、オプションが重なるほど差が広がる。
人物写真の切り抜きが多い場合。アパレルモデルの髪の毛、ファー素材のコート、レース素材のドレスなど、輪郭が複雑な被写体はマスク処理でないと自然に仕上がらない。切り抜きjpでもマスク処理は対応しているが要見積もりになる。写真加工屋さんはマスク処理が標準仕様であり、この領域ではコスト的に有利になる。
切り抜きとレタッチをまとめて1社に出したい場合。肌補正・体型補正・不要物除去・ハンガー消しといったレタッチ作業を、切り抜きとセットで1社にまとめて依頼できる。外注先を分けると、発注管理・品質管理・データ受け渡しの工数が倍になる。画像加工の外注先を1社に集約したい法人には向いている。
2社で決めきれない場合の代替案
写真加工屋さんも切り抜きjpも「ピンとこない」場合、別の選択肢がある。
もっと安い単価で切り抜きだけ頼みたい場合。キリコム(39円〜)やキリヌキスタジオ(48円〜)は切り抜きjpより単価が安い。ただしオプション料金は別途かかるため、トータルコストは自分が必要な加工内容で比較する必要がある。
難易度を問わず一律料金がいい場合。切り抜きPHOTO(一律180円)は、商品の形状に関係なく同一料金で対応してくれる。見積もりが不要で発注がシンプルになるのが利点だ。
個人にスポットで頼みたい場合。ココナラで「EC 白抜き」「商品画像 切り抜き」と検索すると、対応可能なクリエイターが見つかる。品質とスピードは出品者次第だが、少量の単発案件や特殊な加工依頼には柔軟に対応してもらえることがある。
ツ EC向け画像加工の外注サービス5選|1枚から依頼できる会社を比較 tsubasa-memo.github.io/ec-image-outsource.html ツ 画像修正・レタッチの外注費用はいくら?加工内容別の料金相場まとめ tsubasa-memo.github.io/retouch-cost-guide.htmlよくある質問
Q. 写真加工屋さんと切り抜きjp、EC商品画像の加工はどちらが安いですか?
A. 切り抜き単価だけでもAランクで120円 vs 70円と差がある。さらに影イキを付ける場合、切り抜きjpは切り抜き120円+影イキ120円=合計240円以上になるが、写真加工屋さんはAランク70円に影イキが含まれている。影なしの白抜きだけでも50円差、影イキを付けると170円差になる。ただし写真加工屋さんの最低発注枚数は300枚なので、それ以下の枚数では利用できない。少量なら切り抜きjp(1枚から対応)を選ぶことになる。
Q. 切り抜きjpはなぜ2026年4月に値上げしたのですか?
A. 切り抜きjpは2026年3月2日に価格改定を告知し、2026年4月4日以降の受注分から新料金を適用している。Aランクは100円→120円、Bランクは200円→310円、Cランクは400円→620円と、全ランクで値上げされた。改定の背景について公式リリースでは詳しく触れられていないが、人件費の高騰や円安が影響していると推測される。ネット上には改定前の旧料金が残っているため、見積もりを取る際は公式サイトの最新料金表を確認するのが確実だ。
Q. クリッピングパスとマスク処理はどう違いますか?
A. クリッピングパスはベジエ曲線で被写体の輪郭をなぞる方式で、印刷物のDTPワークフローで標準的に使われる。パスデータが付いた状態で納品されるため、InDesignやIllustratorでそのまま配置できる。一方、マスク処理はブラシやペンタブレットで透明度を調整する方式で、髪の毛・毛皮・レースなど輪郭が複雑な被写体を自然に抜ける。切り抜きjpはクリッピングパスが標準でマスク処理は追加料金、写真加工屋さんはマスク処理が標準でクリッピングパスはオプション扱いと、両社で逆の構造になっている。どちらの方式が必要かで選ぶのが正解だ。
Q. 切り抜きjpに影イキの込みプランはありますか?
A. 2026年4月時点では、切り抜きjpの影イキは切り抜き料金とは別のオプション(1点120円、税込132円)として設定されている。切り抜きjpの料金表ページとオプション詳細ページに記載がある。影イキ込みの一括料金プランは公式サイト上では確認できない。影イキが毎回必要な案件では、影イキ込みで切り抜き料金を設定している写真加工屋さん(Aランク70円)のほうがトータルコストは低くなる。
Q. 写真加工屋さんは個人でも依頼できますか?
A. 写真加工屋さんは法人向けBtoBサービスであり、個人からの依頼は受け付けていない。最低発注枚数も300枚からとなっている。個人や少量の案件では、1枚から受け付けている切り抜きjp、キリコム、キリヌキスタジオ、切り抜きPHOTO、ココナラなどが候補になる。
Q. 写真加工屋さんは切り抜き以外にどんな作業を依頼できますか?
A. 切り抜きのほかに、アパレルモデル写真の肌補正・体型補正・髪の毛処理、建築・不動産写真の加工(電線消し・空の差し替えなど)、商品写真の不要物除去(ハンガー消し・テグス消し)、リサイズ、トリミングなどに対応している。切り抜きとレタッチをまとめて1社に発注できるのが強みで、外注先を複数に分ける管理コストを減らせる。AIモデル生成サービスも提供している。