こんにちは、ツバサです。
カメラを買ってしばらくすると、「RAWで撮った方がいい」という話を目にします。でも実際にやってみようとすると、ソフトが必要だったりSDカードがすぐいっぱいになったりして、「結局どうすればいいの」となりがちです。仕事で商品撮影をするようになってから改めて整理したので、まとめておきます。
RAWとJPEGの根本的な違い
カメラのセンサーは光を受け取ると、まず「RAWデータ」を生成します。その後、カメラ内部のプロセッサがホワイトバランス・明るさ・色調・シャープネスなどを自動補正し、圧縮してJPEGとして保存します。
JPEGで撮影する場合、この補正処理はカメラ任せになります。RAWで撮影する場合は、この補正処理を「後でPCで自分でやる」という選択です。
| 項目 | RAW | JPEG |
|---|---|---|
| ファイルサイズ(目安) | 20〜50MB / 枚 | 5〜15MB / 枚 |
| 後からの調整幅 | 広い(ホワイトバランス・露出を大幅に変更可) | 狭い(多少の明るさ・色調整のみ) |
| すぐに使えるか | × 現像ソフトが必要 | ○ そのまま使える |
| 現像ソフト | Lightroom・Capture Oneなど必要 | 不要 |
| 画質の劣化 | 保存を繰り返しても劣化なし | 編集・保存を繰り返すと劣化する |
| SDカード消費量 | 多い(JPEGの3〜5倍) | 少ない |
RAWで撮影するメリット
ホワイトバランスを後から完全に変更できる
JPEGでは、撮影時のホワイトバランス設定が焼き付いてしまいます。RAWなら撮影後でも「太陽光」「蛍光灯」「曇り」などを自由に変更でき、色かぶり(全体的に黄色い・青いなど)を完全に修正できます。これがRAW撮影の最大のメリットです。
露出の失敗をある程度救える
RAWファイルには明部・暗部の情報が多く保持されています。少し暗すぎた写真や明るすぎた写真も、Lightroomなどで「ハイライト」「シャドウ」スライダーを動かすと大幅に修正できます。JPEGでは取り返せない失敗がRAWなら救えることがあります。
何度編集しても画質が劣化しない
JPEGは保存のたびに圧縮による劣化が起きます。RAWから現像する場合は元データに手を加えないため、何度編集し直しても画質の劣化がありません。
RAWで撮影するデメリット
ファイルサイズが大きく、SDカードとストレージを消費する
1枚20〜50MB程度のため、1日の撮影で数GB〜数十GBになることもあります。RAW撮影を継続するなら64GB以上のSDカードと、外付けHDDなどの保存先を用意しておく必要があります。
現像ソフトが必要で、すぐに使えない
Adobe Lightroom Classic / Lightroom CCが最も普及していますが、月額2,728円(フォトプランの場合)かかります。無料の選択肢としては、CanonやNikonなどのカメラメーカーが提供する純正現像ソフト、またはオープンソースのDarktableがあります。
RAWファイル形式がメーカーによって異なる
CanonはCR3/CR2、NikonはNEF、SonyはARW、FujifilmはRAFなど、メーカーごとに形式が違います。古いソフトウェアでは新しいカメラのRAW形式に対応していない場合があります。
どちらで撮るべきか:場面別の判断
| 撮影場面 | 推奨 | 理由 |
|---|---|---|
| カメラを買ったばかり・撮影に慣れていない | JPEG | 現像の学習コストをかけず撮影に集中できる |
| スナップ・旅行・日常記録 | JPEG | 量が多く、RAW現像に時間をかけにくい |
| こだわった商品撮影・ポートレート | RAW | 色・光の調整幅が広く、仕上がりのコントロールができる |
| 重要なシーン(結婚式・一度きりの撮影) | RAW+JPEG同時保存 | 保険として両方記録しておける(多くのカメラが対応) |
| 大量の商品写真を効率よく処理したい | JPEG | 現像工程がなく即使える |
RAW+JPEG同時保存はSDカードの消費が激しくなりますが、重要な撮影では安心感があります。「JPEGで失敗したときの保険」として持っておく使い方です。
初心者がRAWに移行するタイミング
「JPEG撮影で露出やホワイトバランスをある程度コントロールできるようになってきた」「もっと色を細かく調整したい」と感じ始めたら、RAWを試してみるのがいいと思います。
最初からRAWで撮影しようとすると、現像ソフトの使い方・RAWファイルの管理・保存ストレージの準備など、撮影以外の学習コストがかかります。まずはJPEGで撮影を楽しみ、必要を感じてからRAWに切り替えるのが現実的なルートです。