ツバサのメモ帳
色域(ガマット)とは?sRGBとCMYKの差を理解する

色域(ガマット)とは?
sRGBとCMYKの差を理解する

色域(ガマット)とは

色域(ガマット)とは、あるデバイスやカラーモードが再現できる色の範囲のことだ。英語ではgamutと表記され、印刷やデザインの現場では「ガモット」とも読まれる。

ガモット(ガマット)とは home.a02.itscom.net

モニターはRGBの光の三原色で色を作り、印刷はCMYKのインクの三原色で色を作る。仕組みが違うため、再現できる色の範囲も異なる。この「色の範囲」を示すのが色域だ。

CIE(国際照明委員会)が定めたxy色度図の上に各色空間の範囲を描画すると、それぞれの色域の広さと位置が比較できる。一般的に、sRGB(モニターの標準色空間)の色域はCMYK(印刷の色空間)の色域より鮮やかな色の領域で広い。とくに鮮やかな青や緑の領域では、sRGBで表示できてもCMYKでは再現できない色が存在する。

sRGBとAdobe RGBの違いとは?印刷する場合はどちらがいい?|印刷通販グラフィック graphic.jp

モニターで鮮やかに見えていた色が印刷でくすむのは、この色域の差が原因だ。レタッチの良し悪しや印刷会社の技術力だけでは解決できない、物理的な制約といえる。

sRGB・Adobe RGB・CMYKの色域の違い

代表的な色空間を3つ整理する。

sRGBは、1996年にHPとMicrosoftが共同で策定した色空間で、Webの標準として最も広く使われている。Windows環境の基準にもなっており、一般的なモニターはsRGBをカバーしている。EC用の商品画像は、ほとんどがsRGBで作成されている。

Adobe RGBは、1998年にAdobe社が提案した色空間で、sRGBより色域が広い。とくに緑からシアンの領域が広く、CMYKの色域に近い部分を多く含んでいるため、印刷を前提とした写真編集ではsRGBより有利な場合がある。ただし、Adobe RGBの色域を正確に表示するには対応モニターが必要だ。

色域とは?sRGB・Adobe RGB・Display P3・CMYKの違い|shiroha lab shiroha.jp

CMYKは、印刷で使われるインクの色空間だ。sRGBやAdobe RGBと比べると鮮やかな色の再現に限界がある一方で、CMYKにもsRGBでは表現しにくい暗い色(深い赤やこげ茶など)を再現できる領域がわずかにある。色域の広さは単純な上下関係ではなく、それぞれ得意な領域が違う。

色域とは?sRGB・Adobe RGB・Display P3・CMYKの違いを3Dで比較|ASOBOAD amix-design.com

覚えておきたいポイント

EC担当者が押さえておくべきは、「モニターで見えている色がそのまま印刷で出るとは限らない」という事実と、その理由が色域の差にあるということだ。

商品画像をチラシやカタログに転用する場面では、sRGBからCMYKへの変換で鮮やかさが落ちることがある。とくにビビッドなブルーやネオン系の色は変化が大きい。これを知っていれば、「印刷したら色がくすんだ」というとき、印刷会社の落ち度ではなく色域の制約だと判断できる。

Adobe RGBで撮影・編集した画像をWeb用にsRGBに変換する場合も、sRGBの範囲外にある色はクリッピング(強制的に範囲内に丸められること)される。EC用の画像はsRGBで統一して作業するのが実務的だ。

印刷で実際に何が起きるかは「レタッチした商品写真を印刷したら色が変わった」に具体例をまとめている。

レタッチした商品写真を印刷したら色が変わった|インクの色はCMYK、モニターはRGB tsubasa-memo.github.io/print-ink-color-shift.html

よくある質問

Q. 色域(ガマット)とは何ですか?
A. デバイスやカラーモードが再現できる色の範囲のことです。モニターのRGBと印刷のCMYKでは色域が異なるため、画面で見える色がそのまま印刷で出るとは限りません。
Q. sRGBとAdobe RGBはどう違いますか?
A. Adobe RGBはsRGBより色域が広く、とくに緑からシアンの領域で差があります。印刷用の写真編集にはAdobe RGBが有利な場合がありますが、正しく表示するには対応モニターが必要です。EC用のWeb画像はsRGBが標準です。
Q. なぜモニターの色が印刷でくすむのですか?
A. モニターのsRGB色域には、CMYKの色域では再現できない鮮やかな色が含まれているためです。とくに鮮やかな青や蛍光色が影響を受けやすいです。
Q. 色域が広いモニターを使えば印刷の色と合いますか?
A. モニターの色域が広くても、印刷のCMYK色域自体は変わりません。広色域モニターは編集作業には有利ですが、印刷結果との一致にはカラーマネジメント(ICCプロファイルの設定やモニターキャリブレーション)が必要です。
Q. EC商品画像はsRGBとAdobe RGBのどちらで作るべきですか?
A. EC用のWeb画像はsRGBで作成するのが標準です。Adobe RGBで撮影・編集した場合は、Web公開前にsRGBに変換してください。印刷転用の可能性がある場合はAdobe RGBで元データを保管しておくと有利です。
ツバサ

ツバサ

EC関連の会社で働いています。少人数の職場なので、ささげ業務の手配から画像の外注管理、ページ更新、バイトさんへの作業指示まで守備範囲は広めです。Photoshopは苦手なので本格的な画像加工は外注に出していますが、何社も試した分、業者選びや納品チェックには慣れました。このブログは仕事の中で身につけたことの記録です。