ツバサのメモ帳

EC担当・副業ネットショップに役立つ資格を調べた|無料の認定から検定まで

2026年5月 更新

こんにちは、ツバサです。

同じ部署の先輩を見ていると、ウェブ解析士を持っている人もいれば、資格は何もないけどバリバリ数字を出している人もいる。資格って取った方がいいのか、別にいらないのか、正直よくわからなかった。

自分はこのままEC担当として会社でキャリアを積むのか、それとも副業でネットショップを始めるのか、いずれ独立するのか。どの道に進むかで必要な知識は変わるはずだ。気になったので、EC業界で役に立ちそうな資格を片っ端から調べて、立場ごとに整理してみた。

調べてわかったのは、EC業界の採用は実務経験が最優先で、資格が必須条件になっている求人はほぼないということ。ただし歓迎条件にはウェブ解析士やITパスポートが繰り返し出てくるし、資格手当を出す企業もある。一方で、副業や独立でECをやるなら「転職で評価される資格」より「自分の金を守る資格」の方が先だった。

この記事でわかること

  • EC担当の求人で資格がどう扱われているか(年収レンジ・歓迎条件の実例)
  • 受験料無料で取れるプラットフォーム公式認定の一覧
  • ネットショップ検定・D2Cエキスパート検定の最新情報
  • ウェブ解析士・ITパスポート・簿記の費用と実務での使い道
  • 転職組・副業組・独立組それぞれのおすすめ資格

EC関連の資格・認定 一覧比較表

資格名受験料国家/民間有効期限向いている人
Google Analytics認定無料公式認定1年(更新無料)全員
Google広告認定無料公式認定1年(更新無料)全員
Amazon Advertising認定無料公式認定約1年Amazon出品者
LINE Green Badge無料公式認定1年(更新無料)LINE活用するEC
Yahoo!広告認定無料公式認定1年(更新無料)Yahoo!広告運用者
HubSpot認定無料公式認定1〜2年CRM・MA担当
ネットショップ検定 L17,000円民間明記なし未経験〜1年目
ネットショップ検定 L27,500円民間明記なし2年目〜
D2Cエキスパート検定 3級6,600円民間2年(更新制)EC担当・副業
D2Cエキスパート検定 2級7,700円民間2年(更新制)2〜3年目
ウェブ解析士17,600円民間1年(年会費6,600円)転職・キャリアアップ
ITパスポート7,500円国家なし転職組
日商簿記3級3,850円公的なし副業・独立組
日商簿記2級6,050円公的なし事業責任者・独立組
ウェブデザイン技能検定3級14,000円国家なしLP修正する担当
リテールマーケティング3級4,400円公的なしオムニチャネル担当
貿易実務検定C級6,270円民間なし越境EC担当

※ 受験料は2026年5月時点の各公式サイト掲載額。ネット試験の手数料込みの額で記載。

EC担当の求人で資格はどう評価されているか

最初に現実の話をする。dodaの公開求人でEC運営のポジションを見ると、未経験歓迎の求人は年収300万〜450万円がボリュームゾーンだった。経験者枠だと400万〜600万円、マネジメント層になると700万円〜という求人も出てくる。

EC運営 未経験 正社員の転職・求人情報 - doda doda.jp

必須条件として書かれているのは「ECサイト運営経験○年」「楽天・Amazonの店舗運営経験」といった実務ベースの要件ばかりで、特定の資格が必須になっている求人は調べた範囲では見つからなかった。EC業界は「何を知っているか」より「何をやったことがあるか」で採用が決まる世界らしい。

ただし歓迎条件には資格が繰り返し登場する。エン転職に掲載されていたEC運営の求人には「ITパスポートや基本情報技術者など弊社規定の資格を取得するごとに資格手当として給与UP」と明記されていた(月給30万円〜の求人)。Indeedで「ウェブ解析士 ECサイト」と検索すると約300件がヒットし、「上級WEB解析士3万円の報奨金」という具体的な金額を出している求人もあった。

資格は「あれば有利、なくても応募はできる」という位置づけだ。未経験者にとっては、同じ応募者が並んだときに「この人は自分で勉強する人間だ」と伝える材料になる。経験者にとっては、月商○万円のEC運営実績やCVR○%改善といった数字の方が評価される。

無料で取れるEC関連の資格・認定6選

有料の検定に手を出す前に、受験料ゼロで取れる認定がこれだけある。Google、Amazon、LINEヤフーといったプラットフォーム各社が、自社の広告や分析ツールを正しく使える人材を増やす目的で提供しているものだ。

Google広告認定資格はGoogle Skillshopで受験でき、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告など分野ごとに認定が分かれている。受験料は無料で、有効期限は1年。期限が来たら再受験すれば更新できる(更新も無料)。同じSkillshop内にGoogle Analytics認定資格もあり、GA4の操作と分析スキルを証明できる。

Google Skillshop - Google広告・Analytics認定 skillshop.exceedlms.com

Amazon Advertising認定はAmazon Ads公式サイトから受験できる。スポンサープロダクト広告やDSP(デマンドサイドプラットフォーム)など、Amazon内の広告プロダクトごとに認定が用意されている。楽天やYahoo!ショッピングではなくAmazonが主戦場のEC担当なら、ここの知識は集客に直結する。

Amazon Ads Academy - 認定プログラム advertising.amazon.com

LINEヤフーが提供するLINE Green BadgeとYahoo!広告認定資格も無料だ。LINE Green BadgeはBasicとAdvancedの2レベルがあり、LINE公式アカウントの運用や広告配信を体系的に学べる。Yahoo!広告認定資格は検索広告アドバンストとディスプレイ広告アドバンストに分かれており、不合格でも24時間経てば再受験できる。

LINE Campus / Yahoo!広告キャンパス campus.yahoo.co.jp

HubSpot Academyの認定資格も無料で、CRM(顧客管理)やMA(マーケティングオートメーション)の基礎を学べる。自社ECでリピート施策を設計するときに役立つ知識が多い。

これらの認定は履歴書にも書けるし、LinkedInのプロフィールにも追加できる。「まだ何も資格を持っていない」という人は、お金をかける前にここから始めるのが合理的だ。雇われのEC担当でも、副業で自分のショップを運営する人でも、広告と分析の基礎は共通して必要になる。

EC・ネットショップに特化した検定

EC・ネットショップの実務に特化した検定が2つある。どちらも業界の全体像を体系的に学べるので、EC運営を始めたばかりの人には全体地図として使える。

ネットショップ検定(ネットショップ実務士)

一般財団法人ネットショップ能力認定機構(ACIR)が運営する検定で、レベル1(7,000円)とレベル2(7,500円)がある。全国のテストセンターでCBT方式で随時受験できる。受注処理、決済、物流、関係法規などEC運営のワークフローを網羅的にカバーしており、2024年7月からは改訂2版のテキストに対応した新しい試験が始まっている。

ネットショップ検定 受検の概要 - ACIR acir.jp

ACIR公式サイトには「この資格を持つ方は選考のアドバンテージがあると考えています」という採用企業のコメントも掲載されている。未経験からEC業界に入りたい人が、業界用語と業務フローの基礎を固めるのに向いている。

D2Cエキスパート検定(旧 通販エキスパート検定)

一般社団法人D2Cエキスパート協会が運営する検定で、3級(6,600円)から1級、さらにスペシャリストコースまで階層化されている。2024年に「通販エキスパート検定」から名称変更された。運営団体自体も「通販エキスパート協会」から「D2Cエキスパート協会」に改称しており、カタログ通販やモール依存型のビジネスからD2C(メーカーが消費者に直接販売するモデル)への業界の移行を反映した改訂だ。

D2Cエキスパート協会 公式サイト tsuhan-exa.org

注意点として、かつてはCBT方式で随時受験できたが、2024年6月でCBT受付は終了している。現在は春期と秋期の期間限定試験に移行しているので、受験を考えるなら公式サイトでスケジュールを確認した方がいい。

2年ごとの更新制(更新料3級3,300円〜)で、更新時には改訂テキストと解説動画が提供される。知識が古くならない仕組みになっている反面、維持コストがかかる点は頭に入れておく必要がある。

新設の薬機法広告検定Basicコースは、健康食品や化粧品のECに関わるなら検討する価値がある。広告表現で薬機法に抵触するリスクは、EC担当が最も見落としやすい落とし穴の一つだ。

求人の歓迎条件に出てくる定番資格

EC直結の検定ではないが、求人の歓迎条件に繰り返し登場し、資格手当の対象にもなりやすい資格群。副業や独立でECをやる場合にも役立つものが含まれる。

ウェブ解析士

一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)が運営する民間資格で、受験料は17,600円(再試験12,100円)。テキスト4,400円が別途必要で、合格後の維持には年会費6,600円とフォローアップテストが毎年求められる。

ウェブ解析士とは - WACA waca.associates

試験はオンラインで、月2回の試験開始日が設定されている。申込は試験開始日の約1ヶ月前〜2週間前に済ませる必要があり、開始日から14日間の期間内に自分のタイミングで受験する仕組みだ。テキストの持ち込みが可能で、2025年の合格率は受験者ブログの情報で88%程度とされている(公式は非公開)。

2026年からは試験時間が90分→60分に短縮され、問題数は50問→60問に増加。生成AI関連の出題も加わった。時間あたりの問題数が増えたので、テキストを引きながら全問解くのは厳しくなっている。

EC実務ではGA4を使ったアクセス分析やカゴ落ち率の特定、LPのA/Bテスト設計に知識が使える。Indeedで「ウェブ解析士 ECサイト」と検索すると約300件ヒットするので、転職市場での認知度は高い。

ただし年間の維持コスト(6,600円+テキスト代)は継続的にかかる。副業で個人ECを運営するだけならGA4は公式のGoogle Analytics認定(無料)と公式ヘルプで十分学べるので、投資対効果は立場によって分かれる。

ITパスポート

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する国家資格で、受験料は7,500円。CBT方式で随時受験できる。合格率は約50%で、有効期限がないのが大きな利点だ。

ITパスポート試験 - IPA www3.jitec.ipa.go.jp

EC運営の実務では、エンジニアやWeb制作会社と会話するときの共通言語として機能する。セキュリティ要件の基礎知識もカバーしているので、ECサイトの決済まわりのシステム要件を理解するのに役立つ。エン転職の求人で「資格手当の対象」として明記されている例も確認できた。

ただし、これは「雇われ向け」の資格だ。自分でShopifyやBASEのストアを立ち上げる場合は、ITパスポートの知識よりプラットフォームの操作方法を覚える方が先になる。

日商簿記(3級・2級)

日本商工会議所が実施する公的資格。ネット試験(CBT方式)なら随時受験でき、受験料は3級3,850円(手数料込)、2級6,050円。統一試験(ペーパーテスト)は年3回。有効期限はない。

簿記検定 - 日本商工会議所 kentei.ne.jp

EC担当として会社で働く場合、3級の知識があれば月次の損益計算書(PL)を読めるようになる。粗利率の計算、広告費が利益を圧迫していないかの判断、送料無料ラインの損益分岐点の分析など、数字で事業を語る力が身につく。2級は工業簿記を含むので、自社ブランドの製造原価計算や在庫評価(棚卸減耗損の扱い)まで対応できる。

副業や独立でECをやるなら、簿記3級はほぼ必須だと感じた。副業の所得が年間20万円を超えたら確定申告の義務が発生する。freeeやマネーフォワードを使うにしても、複式簿記の基本がわからないと仕訳の入力でつまずく。確定申告については別の記事に詳しく書いた。

写真副業の確定申告まとめ|20万円ルールと経費の考え方 tsubasa-memo.github.io/photo-sidejob-tax.html

その他(用途に応じて)

ウェブデザイン技能検定3級はWeb業界で唯一の国家資格だ。学科6,000円+実技8,000円で年4回実施されており、合格率は60〜70%。自分でバナーを作ったりLPのHTML/CSSを微修正したりするEC担当なら、土台になる知識が得られる。

リテールマーケティング(販売士)検定は日商が主催しており、CBT方式で随時受験可能(3級4,400円、2025年度の合格率55.2%)。カテゴリ設計や品揃え計画の理論は、ECサイトの商品陳列にそのまま応用できる。実店舗とECを併用するなら特に有用。

貿易実務検定C級(6,270円)は越境ECに関わるなら検討対象。関税計算やインボイス作成の知識が身につく。Web試験で年3回実施されている。

EC担当・副業・独立 立場別のおすすめ資格

EC担当として転職・キャリアアップしたい人

「求人票に書かれている資格」を押さえるのが最短ルートだ。

未経験〜1年目は、Google Analytics認定(無料)、ネットショップ検定レベル1(7,000円)、ITパスポート(7,500円)の3つ。この3つを履歴書に書ければ、未経験でも「自分で調べて勉強する人間だ」と面接官に伝わる。dodaの公開求人を見ると、未経験歓迎のEC運営ポジションは応募要件が「基本的なPCスキル(Excel、Word)」程度で、応募のハードル自体は低い。資格で差がつくのは、似たような経歴の応募者が並んだときだ。

2〜3年目は、ウェブ解析士(17,600円)とD2Cエキスパート検定2級(7,700円)。自分が担当している集客チャネルのプラットフォーム公式認定(Amazon Ads認定やGoogle広告認定)も無料で取れるので組み合わせるといい。

4年目以降でマネジメントや事業責任者を目指すなら、日商簿記2級(6,050円)。「売上」ではなく「利益」で事業を語れるかどうかが、担当者と責任者の境目になる。越境ECに関わるなら貿易実務検定B級も視野に入る。

副業でネットショップを始めたい人

雇われ向けの資格と優先順位がひっくり返る。転職市場での評価よりも、自分の金を守ることと、自分で集客できることが先だ。

まず取るべきものは日商簿記3級(3,850円)とGoogle広告認定(無料)。簿記は確定申告に直結する。副業の所得が年間20万円を超えたら申告義務が発生するので、売上が伸び始めてから慌てて勉強するより先に取っておいた方がいい。Google広告認定は、自分の広告費で集客する前に広告の仕組みを理解しておくためのもの。何もわからないまま広告費を使うと、あっという間にお金が溶ける。

副業が会社にバレるリスクや就業規則の確認方法については別の記事にまとめた。

副業と労働法|就業規則の確認ポイントとバレるリスク tsubasa-memo.github.io/side-job-labor-law.html

余裕があればD2Cエキスパート検定3級(6,600円)。フルフィルメントや関係法規のパートが副業EC運営に直結する。あとは景品表示法の知識。検定ではないが、商品ページに「No.1」と書いたり「通常価格○円→セール○円」と二重価格表示をしたりすると、知らないうちに法律違反になるリスクがある。

景品表示法のEC担当向けメモ|違反事例と気をつけること tsubasa-memo.github.io/keihyouhou-ec-memo.html

物販ではなくアフィリエイトからECの世界に入りたい場合は、Amazonアソシエイトの始め方を別記事で整理している。

Amazonアソシエイトの始め方と審査のポイント tsubasa-memo.github.io/amazon-associates.html

この立場では不要なものもある。ITパスポートは転職市場では評価されるが、自分でECをやるなら直接的に使う場面がない。ウェブ解析士も年会費6,600円が個人の副業には重い。GA4は無料のGoogle Analytics認定と公式ヘルプで学べる。

EC関連の副業がそもそもいくら稼げるのか、業務別の単価相場や手取り額の試算は別の記事にまとめた。

EC関連の副業は実際いくら稼げるのか|業務別の単価相場を調べた tsubasa-memo.github.io/ec-sidejob-pricing.html

いずれ独立してEC事業をやりたい人

副業の延長で法人化や本業化を考えるなら、以下が候補になる。

日商簿記2級(6,050円)は工業簿記を含むので、自社ブランドの製造原価計算や在庫評価ができるようになる。資金繰りの把握にも役立つ。

景品表示法の知識は、独立すると重みが変わる。雇われなら会社の法務部が責任を取るが、自分が事業主になったら措置命令は自分に来る。知らなかったでは済まされない。

集客チャネルはGoogle広告、Amazon Ads、LINE Green Badgeの公式認定(すべて無料)を3つとも取っておくと、複数の経路を自分で回せるようになる。Shopify Partner認定(無料)は自社ECをShopifyで構築するならおすすめだ。Liquidテンプレート言語の理解が深まるので、制作を外注するにしても見積もりの妥当性を自分で判断できるようになる。

よくある質問

Q. EC担当の資格で一番コスパがいいのは?
無料で取れるGoogle Analytics認定資格だ。受験料ゼロで、GA4の操作スキルを客観的に証明できる。転職でも副業でも使い道がある。
Q. 資格がなくてもEC担当に転職できる?
できる。EC業界の採用は実務経験が最優先で、資格が必須条件の求人はほぼ見つからなかった。ただし未経験なら、資格は学習意欲の証明として差別化になる。
Q. ウェブ解析士は取る価値がある?
EC担当の求人で歓迎条件に最も多く登場する民間資格で、Indeedで「ウェブ解析士 ECサイト」と検索すると約300件ヒットする。転職市場での認知度は高い。ただし合格後の維持に年会費6,600円がかかる。副業で個人ECをやるだけならGA4は無料のGoogle認定と公式ヘルプで学んだ方がコスパは良い。
Q. 通販エキスパート検定はなくなった?
2024年にD2Cエキスパート検定に名称変更された。運営団体もD2Cエキスパート協会に改称している。試験内容はD2C(メーカー直販)寄りに全面改訂され、新たに薬機法広告検定Basicコースも新設されている。
Q. 資格を取ると年収は上がる?
資格手当がある企業なら月額数千円の増額が見込める。上級ウェブ解析士で3万円の報奨金を出す企業もIndeedで確認できた。ただしEC業界全体で見ると、年収に最も影響するのは資格ではなく実務経験年数とポジションだ。副業・独立であれば年収の上限は自分の事業次第になるので、資格の有無より売上を作る力の方が重要になる。
ツバサ

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EC関係の仕事をしています。このサイトは自分が調べたことの備忘録です。Photoshopは少し使えますが苦手で、ちょっとした画像補正はもっぱらスマホアプリ派。アプリで対応しきれない本格的なレタッチはプロに依頼しています。