こんにちは、ツバサです。
EC関連の資格をまとめた記事を書いていたとき、「副業でECのスキルを使ったら実際にいくらもらえるのか」が気になった。調べてみると、同じ「EC関連の副業」でも業務内容によって単価が10倍以上違う。商品登録なら1件300円、EC店長代行なら月10万円+歩合といった具合である。
この記事では、クラウドワークス・ランサーズ・ココナラの実案件を見ながら、7つの業務ごとに単価相場を整理した。結論を先に言うと、手数料を差し引いた手取りで月5〜8万円が副業としての現実的なラインで、月10万円を超えるにはスキルと実績が必要になる。
クラウドソーシング3社の手数料を先に確認する
単価を見る前に、プラットフォームの手数料を押さえておく必要がある。売上10万円の案件を受けても、手数料を引くと手元に残る金額はかなり違う。
| プラットフォーム | 手数料(税込) | 10万円案件の手取り |
|---|---|---|
| ランサーズ | 16.5%(一律) | 約83,500円 |
| クラウドワークス | 実質22%(10万以下の部分) | 約78,000円 |
| ココナラ | 22% | 約78,000円 |
ランサーズは2022年10月に手数料を一律16.5%に改定しており、10万円以下の案件では3社の中で最も安い。クラウドワークスは報酬額が20万円を超える部分は5%に下がるが、副業レベルの案件で20万円を超えることは稀なので、実質22%と考えておくのが安全である。
なお、Workshipや複業クラウドのように企業と直接マッチングするプラットフォームもある。こちらは手数料体系がクラウドソーシングとは異なり、企業側がプラットフォーム利用料を負担するケースが多い。ただし掲載案件は経験者向けが中心で、未経験からの参入は難しい。
EC関連7業務の単価相場
クラウドワークス・ランサーズ・ココナラの募集案件と、ECのミカタ・hypexなどの業界メディアの公開データを照合して、業務ごとの単価を整理した。「ボリュームゾーン」は実際に案件が集中している価格帯である。
| 業務 | 単価レンジ | ボリュームゾーン | スキル |
|---|---|---|---|
| 商品登録代行 | 100〜500円/件 | 300円/件 | 未経験可 |
| 商品撮影代行 | 550〜5,000円/カット | 1,500〜3,000円 | 一眼+ライティング |
| バナー・画像制作 | 1,000〜10,000円/点 | 3,000〜5,000円 | Photoshop |
| 商品説明ライティング | 0.5〜3円/文字 | 1〜1.5円/文字 | SEO知識 |
| SNS運用代行 | 月3万〜15万 | 月5万〜8万 | 投稿企画・分析 |
| EC店長代行 | 固定5万〜15万+歩合 | 固定10万+売上5% | EC実務3年以上 |
| 受注・CS代行 | 時給1,000〜2,000円 | 時給1,200円 | 初級 |
※ 2026年5月時点の公開情報をもとに作成。Workship・複業クラウド経由の場合、同じ業務でも時給2,000〜5,000円帯の案件がある(経験3年以上が前提)
商品登録代行
CSVやテンプレートに沿って商品情報を入力する業務。クラウドワークスの発注相場ページによると、商品登録の外注費用は1件あたり数百円が中心で、30件まとめて15,000〜30,000円というパッケージ案件もある。特別なスキルがなくても始められるが、そのぶん単価は低い。時給換算すると800〜1,200円程度になることが多く、数をこなさないとまとまった金額にはなりにくい。
外 商品登録の依頼費用相場 - クラウドワークスTimes crowdworks.jp商品撮影代行
ECのミカタの調査では、商品を郵送して撮影する形式の場合、1商品あたり1,000〜5,000円が相場である。ささげ業務(撮影・採寸・原稿)をセットで受ける場合は1商品あたり1,500円前後という価格帯も見られる。一眼レフとライティング機材を持っていることが前提になるため、参入コストは高い。逆に言えば、機材を持っているEC担当者にとっては有利な業務である。
外 商品撮影代行とは?サービス内容や各社料金を徹底比較 - ECのミカタ ecnomikata.com撮影が追いつかなくて外注を考える側の事情については、EC商品撮影が追いつかない時の対処法で詳しく書いた。
バナー・画像制作
ECサイトの商品画像やセールバナーの制作案件。ランサーズの出品パッケージでは1枚3,000円前後の出品者が多く、ココナラのバナー制作カテゴリでも1,000〜5,000円がボリュームゾーンになっている。楽天やAmazonのA+コンテンツまで含めると、1点あたり6,000〜10,000円の案件もある。Photoshopを使える人は選択肢が広がるが、Canvaレベルでも初心者歓迎の案件は存在する。
商品説明ライティング
クラウドワークスの公式データでは、専門知識が不要な記事は文字単価1円前後、専門的な知識が必要な記事は2〜5円程度とされている。EC商品の説明文は専門性が低めなので、0.5〜2円/文字の案件が中心になる。「文字単価1円 × 1記事3,000文字 = 3,000円」が目安で、月に20本書いて月収6万円、という計算になる。
外 Webライターの相場は?種類別の記事単価の決め方 - クラウドワークスTimes crowdworks.jpSNS運用代行
hypexの調査によると、法人がSNS運用代行を外注する場合の相場は月5万〜30万円程度である。ただし副業の個人が受注する場合は、代行会社の半額以下が現実的なラインになる。クラウドワークスのSNS運用案件を見ると、月3万〜8万円の案件が多い。投稿の企画・作成だけでなく、数値分析やレポート提出まで含まれる案件は月10万円を超えることもある。
外 SNS運用代行の費用相場は?料金内訳・選び方を完全解説 - hypex hypex.jpEC店長代行
ECのミカタの調査では、EC運営全般の委託は法人間で月30万円以上が相場とされている。副業個人がこの業務を受ける場合は、固定報酬5万〜15万円+売上の5〜10%という形が多い。「月商100万円のショップで固定10万円+歩合5万円=月15万円」という水準が、実績のある副業EC店長の収入イメージになる。EC実務の経験が3年以上ないと受託そのものが難しい。
外 ECサイトの運営代行の費用や料金相場は? - ECのミカタ ecnomikata.com受注・CS代行
注文確認・出荷指示・問い合わせ対応などを請け負う業務。クラウドワークスの時間単価制で1,000〜2,000円の案件が中心で、中央値は1,200円前後。特別なスキルは不要だが、平日日中の対応を求められるケースが多い点は注意が必要である。本業の就業時間中に副業の対応をするわけにはいかないので、夜間対応OKの案件を選ぶ必要がある。
手取りで月いくらになるか試算してみた
「売上」と「手取り」は別物である。ここではランサーズの手数料16.5%を適用した場合の手取り額を計算してみた。
| パターン | 想定稼働 | 月売上 | 手取り(手数料16.5%後) |
|---|---|---|---|
| A. 商品登録メイン 300円/件 × 250件 |
週10時間 | 75,000円 | 約62,600円 |
| B. バナー制作 4,000円/点 × 15本 |
週8時間 | 60,000円 | 約50,100円 |
| C. SNS運用2社 月7万 × 2アカウント |
週10時間 | 140,000円 | 約116,900円 |
パターンAは未経験でも始められるが、手取りで月6万円台。本業の手取りに上乗せすると考えれば悪くないが、250件の登録作業を月に継続するのはそれなりに根気が要る。
パターンBはPhotoshopを使えることが前提で、1点あたりの制作時間を2時間とすると時給換算で約2,000円。制作スピードが上がればもう少し効率が良くなる。
パターンCは月10万円を超えるが、SNS運用の実績と提案力が必要で、未経験からいきなり到達できるラインではない。パターンAかBで半年ほど実績を積んでから目指すのが現実的だろう。
手数料を避けたいなら直接契約へ
クラウドソーシング経由だと売上の16.5〜22%が手数料で消える。継続案件でクライアントとの信頼関係ができたら、直接契約に切り替えることで手数料がゼロになる。ただし、CWやランサーズのプラットフォーム上で直接契約を持ちかけるのは利用規約違反になるため、契約終了後に改めて連絡を取る形が一般的である。
単価を上げる3つの方法
認定制度で案件獲得率を上げる
クラウドワークスの「プロクラウドワーカー」やランサーズの「認定ランサー」になると、検索結果で上位に表示されるようになる。認定の条件は納品完了率や評価スコアで、いずれも3〜6か月の実績を積めば狙える。認定されると案件の指名相談が増え、結果として単価交渉がしやすくなる。
直接受注に切り替える
前述の通り、クラウドソーシングの手数料は売上の16.5〜22%。月10万円の売上なら1.6万〜2.2万円が手数料で消える計算になる。半年〜1年ほどクラウドソーシングで実績を積み、クライアントからの信頼を得たら、自分のポートフォリオサイトやSNS経由で直接受注に移行するのが単価アップの王道である。
業務委託マッチングに移る
Workshipや複業クラウドのような業務委託マッチングプラットフォームでは、同じ業務内容でもクラウドソーシングの2〜3倍の単価が設定されていることがある。ただし、掲載案件は経験者向けがほとんどで、EC実務3年以上の実績がないとマッチングが成立しにくい。「クラウドソーシングで実績を積む → 直接受注で手数料を削る → 業務委託マッチングで単価を上げる」というステップが現実的なルートになる。
副業を始める前に確認しておくべき法律面の話は、副業と労働法にまとめてある。確定申告については副業の確定申告ガイドを参照してほしい。