ツバサのメモ帳
退職代行のおすすめ検索を調べた|検索結果とAI回答に出てくるグレーな比較記事

退職代行のおすすめ検索を調べた|
検索結果とAI回答に出てくるグレーな比較記事

こんにちは、ツバサです。

前に「データ復旧業者の選び方を調べたら、おすすめ比較記事が「自称No.1だらけ」だった話」を書きました。あの記事を調べる過程で、あるアフィリエイトメディアがデータ復旧だけでなく退職代行でも比較記事を量産していることに気づきました。「独自調査」の口コミ、紹介文のコピペ、同じASPのリンク構造。業界が違うのにパターンが同じでした。

退職代行は僕の専門外です。ただ、SEOやLLMOの観点から見ると「グレーなサービスをおすすめしてくる記事を、Googleが検索結果やAIの回答から除外できていない」というパターンがデータ復旧業界と同じで面白かったので、深掘りして調べてみました。そうしたら、データ復旧とは違う形のグレーな問題が見つかりました。

グレーなサービスを排除していないアフィリエイト比較記事が検索上位に並び、脱法的な「名ばかり組合」や弁護士名非公開の「弁護士監修」サービスがおすすめとして出てきます。しかも検索結果を眺めているだけでは、どの記事が信頼できてどの記事が危ないのか、見分ける手がかりがありません。

この記事を読むとわかること:

退職代行の「弁護士監修」「労働組合運営」は信用できるか

検索上位の比較記事には「労働組合運営だから安心」「弁護士監修だから安全」と書かれていることが多い。しかし、この業界では2026年2月に退職代行最大手モームリの運営会社社長らが弁護士法違反(非弁提携)の疑いで警視庁に逮捕されている。報道によると、弁護士資格がないにもかかわらず、顧客の勤務先との退職交渉などの法律事務を提携先の弁護士に仲介し、紹介料を受け取っていた疑いがある。紹介料は1件あたり約16,500円で、「賛助金」などの名目で処理されていたとされる。

(出典:退職代行「モームリ」社長ら逮捕 紹介料目的で法律事務を仲介か(ITmedia NEWS)

なぜ逮捕に至ったのか。退職代行の法的リスクを理解するには、「非弁行為」という概念を押さえておく必要がある。

非弁行為とは何か

退職代行には「退職の意思を会社に伝える」だけのケースと、「未払い残業代の請求や有給消化について会社と交渉する」ケースがある。前者は誰でもできるが、後者の「交渉」ができるのは法律上、弁護士か労働組合だけだ。

弁護士でも労働組合でもない民間企業が、退職に伴う金銭や条件について会社と交渉を行うと、弁護士法72条違反(非弁行為)にあたる。同条は、報酬を得る目的で法律事務を弁護士に仲介する「周旋」も禁止している。モームリの逮捕容疑はこの周旋にあたるとされ、非弁行為の規制を形式的にすり抜ける仕組みを作っていた疑いが持たれている。

運営元退職の意思伝達会社との交渉訴訟対応料金相場
弁護士5〜10万円
労働組合○(団体交渉権)×2〜3万円
民間企業×(非弁行為リスク)×1.5〜3万円

料金が安いからといって民間企業を選ぶと、交渉が必要になったときに対応してもらえない。逆に「交渉もできます」と謳う民間企業がいたら、非弁行為に該当するおそれがある。

「弁護士監修」は弁護士が対応してくれるという意味ではない

比較記事を見ていると「弁護士監修」と書いてあるサービスがある。弁護士法人みやびのように弁護士事務所が直接運営しているケースや、退職代行Jobsのように顧問弁護士(西前啓子氏)が実名・顔写真つきで公開されているケースは、弁護士の関与を外部から確認できる。

問題は、「弁護士監修」と謳いながら弁護士名を公開していないサービスだ。ニコイチについてはノマド家の記事で「弁護士が直接交渉するわけではありません。あくまでも、弁護士の指導やノウハウの提供を受けたスタッフが対応する」と解説されている。辞めるんですも「顧問弁護士が監修」と謳っているが弁護士名は非公開だ。

植野法律事務所はこの問題を次のように指摘している。

「『監修』は、あくまでアドバイザーの立場であり、その民間業者に交渉権限を与えるものではありません。交渉を行えるのは、行為主体が『労働組合』または『弁護士』である場合に限られます。『弁護士監修』という言葉だけで『交渉もできる』と判断するのは非常に危険です」

(出典:植野法律事務所

「弁護士監修」と「弁護士が直接運営」は全く違う。弁護士名が公開されていない「弁護士監修」は、誰がどこまで関与しているのかを外部から確認することは難しい。にもかかわらず、検索上位の比較記事はこの2つを同列に並べてランキングしている。

労働組合は弁護士がいなくても交渉できる。しかし「名ばかり組合」は別の話

ここまでの話だと「弁護士が関わっていないサービスは全部アウトなのか」と思えるが、そうではない。労働組合には憲法28条で保障された団体交渉権があるため、弁護士がいなくても団体交渉権に基づく範囲で会社と交渉できる。これが退職代行業界で「労働組合運営」を名乗るサービスが増えた理由だ。

仕組みとしては、利用者を一時的に組合員にして、団体交渉権を使って会社と交渉する。多くの退職代行サービスでは1件あたり約2万円の退職代行料を組合費として受け取り、退職が完了すれば組合員を続ける必要はない。

退職代行業務のためだけに設立され、組合員の実態や継続的な組合活動が確認できない労働組合は「名ばかり組合」と呼ばれる。この構造に対して、弁護士が警鐘を鳴らしている。

東京弁護士会は2025年10月の注意喚起で、「労働組合の行為が必ずしも非弁行為にならないとは限りません」と明記している。

(出典:退職代行サービスと弁護士法(東京弁護士会)

弁護士法人みやびは自社コラムで「名ばかり組合」問題を具体的に指摘している。

「形式上は労働組合を名乗っていても、実態が伴っていない名ばかり組合の存在」
「退職代行業務を行うためだけに設立された組織である場合には、団体交渉権を根拠に適法性を主張することは困難」
「組合員の実態がない、継続的な組合活動が確認できない、退職代行を中心に報酬を得る仕組みになっている」場合は非弁行為の可能性がある

(出典:退職代行で労働組合が違法になるケースとは?(弁護士法人みやび)

弁護士法人川越みずほ法律会計も、現場の実態として「交渉事項を1件いくらで流すので私にやってほしいという話が来る」と語っている。

(出典:退職代行サービスの非弁行為について(川越みずほ法律会計)

モームリの事件でも、紹介料が「賛助金」名目で処理されていたと報じられている。弁護士が指摘してきた「組合を介したスキーム」が、実際に捜査の対象になった形だ。

全ての「労働組合運営」が怪しいわけではない

退職代行ガーディアン(東京労働経済組合)は設立25年超で、東京都労働委員会の認証を公表しており、退職代行以外の組合活動実績もある。

「労働組合運営」という肩書きだけでは判断できない。チェックすべきは労働委員会の認証の有無と組合の活動実績だ。2022年に設立されて退職代行以外の活動が確認できない組合と、25年の実績がある組合では、「労働組合運営」の意味が全く違う。

「退職代行 おすすめ」で検索して上位に出る比較記事の実態

ここからは、2026年6月29日にGoogle検索で「退職代行 おすすめ」の検索結果を確認した内容を見ていく。

検索上位がアフィリエイト比較記事で占められている

執筆時点では、社労士法人GOALの比較20選が検索1位、ベンナビ労働問題の記事が2位だった。そのほかにも複数の比較記事が上位に並ぶ。検索結果の1ページ目はほぼ比較記事で占められていた。

AI Overviewが比較記事を参照元として表示

AI Overviewは社労士法人GOALとマイナビを参照元として表示し、退職代行Jobsと退職代行ヤメドキを推薦していた。その参照元の比較記事がグレーなサービスを除外しているかどうかは、利用者に分かる形では示されていなかった。

弁護士会の注意喚起が検索上位に出ない

東京弁護士会は2025年10月に、退職代行サービスと非弁行為について公式に注意喚起を出している(出典:東京弁護士会)。しかし執筆時点では「退職代行 おすすめ」で検索しても、この注意喚起は検索上位に表示されていなかった。

アフィリエイト比較記事はAI Overviewに引用されるのに、弁護士会の公式な警告は執筆時点でAIの回答に反映されていなかった。

広告枠の状況

「退職代行」の検索結果の広告枠には、代表者が逮捕された後に代表を刷新して営業を再開したサービスが広告を出稿していることを確認した(2026年6月29日時点)。少なくとも利用者から見る限りでは、こうしたサービスも広告掲載されていた。

退職代行の比較記事|マイベスト・マイナビの選定基準と他のグレーな記事の差

退職代行の比較記事が全部問題というわけではない。ここでは、グレーなサービスを除外する基準を公開している記事と、基準が確認できない記事の差を整理する。

マイベストの選定基準

マイベスト(my-best.com)は掲載社数を8社に絞り、除外基準を公開している。

除外対象:

さらに「実際に徹底調査したところ、バーチャルオフィスを利用している・公式サイトに代表者氏名が書いていない怪しい業者が複数存在しました」と調査結果を公表している。

掲載にあたって4点のスクリーニングを実施し、全てクリアしたサービスだけを掲載している。

監修弁護士は梅澤康二氏(弁護士法人プラム綜合法律事務所)で実名と顔写真が公開されている。アフィリエイト収益があること(バリューコマース経由)も開示している。

(出典:マイベスト 退職代行サービスのおすすめ人気ランキング

マイナビニュース退職代行ガイドの透明性

マイナビニュース退職代行ガイドは運営会社の代表者名・住所だけでなく、提携労働組合の代表者名・所在地まで公開している。

たとえば退職代行Jobsについて、運営会社(株式会社アレス・佐藤美代子代表)と提携労働組合(合同労働組合ユニオンジャパン・東憵子代表)の住所が同一であることまで開示している。これ自体が良いとも悪いとも断定できないが、情報が公開されているため読者自身が確認しやすい。

監修弁護士は松浦絢子氏(松浦綜合法律事務所代表・東京弁護士会所属)で実名と経歴が公開されている。

(出典:【運営タイプ別】退職代行のおすすめ10選を比較(マイナビニュース退職代行ガイド)

比較記事の情報公開の差

項目情報公開が充実した記事情報公開が限定的な記事
監修者弁護士が実名・顔写真で公開監修者なし、または弁護士名が非公開
選定基準明記あり(名ばかり組合・バーチャルオフィスを除外)記載なし
口コミの出典調査方法が記載されている「独自調査」のみで方法が不明
情報の鮮度停止済みサービスに注記、または除外済み停止済みサービスがランキングに残ったまま

なお、比較記事の運営会社の本業がメディア事業(マイベスト、マイナビ等)であるケースと、比較対象と無関係な業種(プログラミング教室等)であるケースがある。本業と記事の内容に因果関係があるとは断定できないが、読者が記事の背景を知るための材料にはなる。

アフィリエイト比較記事であること自体が問題なのではない。マイベストもマイナビもアフィリエイト収益がある。今回比較した範囲では、グレーなサービスを除外する基準を公開しているかどうかが記事の情報公開度を分ける大きな違いだった。この点は「「おすすめ比較記事」をGoogleが規制?|No.1表記の法的リスクとAI検索」で書いた話と同じ構造になる。

データ復旧と退職代行で同じメディアが比較記事を量産している構造

データ復旧の比較記事を調べたとき、E社(Edmondo NEXT)というメディアが検索上位に出てきた。運営会社は京都のプログラミング教室だ。E社が退職代行でも12社のランキング記事を出していることに気づいたのが、この記事を書くきっかけだった。

「独自調査」の表示方法が共通している

E社の退職代行記事を確認すると、掲載10社の口コミ(各社4件、計40件以上)が全て「E社の独自調査」と記載されていた。調査方法に関する具体的な記載は確認できなかった。データ復旧記事でも同様の構成が確認されている。

アフィリエイトリンクの構造

E社の退職代行記事内のアフィリエイトリンクを調べると、ASPとしてfelmat(フェルマ)を使用しているリンクが確認できた。退職代行記事のfelmatリンク末尾パラメータは「Z62704J」。データ復旧記事でも同じ「Z62704J」が使われている。

felmatはクローズド(招待制)ASPで、リンクパラメータの各部分が何を意味するかはfelmatの内部仕様であり、公開情報からは確認できない。事実として書けるのは「末尾パラメータが2つの業界をまたいで一致している」ということだ。

退職代行記事ではfelmat以外のASPも使われていた。Link-A、AccessTrade、もしもアフィリエイトなど、業者ごとにASPを使い分けている。今回確認したデータ復旧記事ではfelmatのみが使われていたのと対照的だ。

データ復旧との構造的な違い

項目データ復旧退職代行
比較記事の1位全記事がD社を1位サイトによりバラバラ
ASPの使い分けfelmatのみ4種のASPを業者ごとに使い分け
口コミ表示「独自調査」(方法不明)「独自調査」(方法不明)→ 共通した表示方法

退職代行では推薦する業者がサイトごとに異なっており、ASPの構成もサイトによって違っていた。データ復旧のような分かりやすいコピペ構造ではないが、調査方法が不明な数十件の口コミを掲載する手法は業界をまたいで共通していた。

また、専門事業とは異なる企業が複数分野の比較記事を展開している例も確認できた。マイベストやマイナビは選定基準を公開しているが、基準が確認できないメディアの記事も同じ検索結果に並ぶ。

ChatGPT・Gemini・PerplexityのAIに「退職代行 おすすめ」と聞いたら何が返ってくるか

データ復旧の記事では、AIが何を推薦するかを調べた。退職代行でも同じことをやってみた。2026年6月29日時点でChatGPT、Perplexity、Gemini、Google AI Overviewの4つに「退職代行 おすすめ」を聞いた結果を比較する。

4社の回答比較

AI推薦上位確認された問題主な情報源
ChatGPT弁護士法人みやび、ガーディアン、SARABA停止済み・逮捕済みサービスの推薦なしやめるナビ、退職代行ローキ
Perplexityガーディアン、トリケシ、OITOMA、Jobs停止中のトリケシを推薦ウルキャリ(停止済みサービスが上位のサイト)
Geminiモームリ、SARABA、ガーディアン逮捕された代表者のモームリを「透明性が高い」と推薦不明(情報源の明示なし)
Google AI OverviewJobs、ヤメドキ参照元がグレーなサービスを除外しているか不明社労士法人GOAL、マイナビ

Geminiの回答に最新情報が反映されていない

GoogleのGeminiはモームリを「近年非常に人気が高く、透明性の高いサービスが特徴」「安心感が強い」と評価し、最上位で推薦していた。2026年2月に代表者が弁護士法違反(非弁提携)で逮捕された事実に一切触れていない。東京弁護士会の「名ばかり組合」警告にも、「弁護士監修」の実態にも言及がない。

今回確認した回答では、Google検索と同様の傾向が見られた。

Perplexityが停止中のサービスを推薦

Perplexityは「コスパ重視」の候補にトリケシを挙げていた。トリケシは2026年にサービスを停止している。Perplexityの情報源にはウルキャリ(gold-career.co.jp)が含まれており、ウルキャリには停止済みサービスがランキングの3位と4位に残っていた。

ChatGPTは最新情報の反映状況が比較的良好だった

ChatGPTは停止済みサービス(トリケシ・リーガルジャパン)を推薦しておらず、日本労働産業ユニオン系のサービスを一切推薦していなかった。推薦しているのは弁護士法人みやび、ガーディアン(東京都労働委員会認証済み)、SARABA。実績のある弁護士と組合を選んでいる。

なお、ChatGPTの情報源にはウルキャリが含まれていなかった。ChatGPTは「現在は無資格の民間業者への対応を拒否する企業も増えている」と非弁行為リスクにも言及していた。

今回の調査では、参照した情報源の影響が非常に大きいことがうかがえた。業界固有の法的リスクが回答に十分反映されているとは言い難く、参照する情報源によって回答の内容が大きく変わる。

補足:データ復旧との逆転現象

データ復旧の記事で同じ比較をしたときと、AIの結果が逆転していた。

AIデータ復旧での結果退職代行での結果
ChatGPTD社を1位推薦停止済み・逮捕済みサービスを回避
PerplexityD社は候補外停止中サービスを推薦
GeminiD社を1位推薦逮捕済みサービスを最上位で推薦

業界によって良し悪しが逆転する。この点は、データ復旧記事と退職代行記事をシリーズで読むと立体的に見える。

退職代行サービスを選ぶときのセルフ確認5項目

ここまで調べてきた問題を踏まえて、退職代行サービスを選ぶときに自分で確認できるポイントを整理した。

1. 運営元は弁護士法人か、労働委員会認証の労働組合か、民間企業か

退職の意思を伝えるだけなら民間企業でも対応できるが、会社との交渉(未払い残業代の請求、有給消化の交渉など)には弁護士か労働組合が必要になる。「交渉が必要かどうか」で選ぶべき運営元が変わる。料金相場は弁護士が5〜10万円、労働組合が2〜3万円、民間企業が1.5〜3万円。安いからといって民間企業を選ぶと、交渉が必要になったときに対応してもらえない可能性がある。

2. 「弁護士監修」の弁護士名が公開されているか

「弁護士監修」と「弁護士が運営」は全く違う。弁護士名が公開されていれば、弁護士会のサイトでその弁護士が実在するかどうかを自分で確認できる。弁護士名が非公開の「弁護士監修」は、誰がどこまで関与しているのかを外部から確認することは難しい。

3. 労働組合運営の場合、労働委員会の認証があるか

「労働組合運営」と書いてあっても、退職代行のためだけに設立された組合と、長年の活動実績がある組合では実態が違う。労働委員会の認証を受けているかどうかが1つの判断基準になる。ガーディアン(東京労働経済組合)のように認証を公表していれば確認できるが、公式サイト等で認証情報が確認できない組合もある。

4. 比較記事の選定基準が公開されているか

比較記事を参考にする場合、掲載基準が明記されているかをチェックする。マイベストのように除外基準を公開している記事と、基準が書かれていない記事では情報の信頼性が違う。監修弁護士の実名が公開されているか、口コミの調査方法が記載されているか、停止済みサービスが更新されているかも確認材料になる。

5. 運営会社の住所・代表者名が公開されているか

バーチャルオフィスを利用していること自体に法的な問題はないが、マイベストが調査で指摘しているように、運営実態を確認する判断材料の一つにはなる。会社の所在地と代表者名が公開されていれば、法人番号検索やgBizINFOで設立年・資本金を確認できる。「退職率100%」のような広告表現だけでなく、外部から検証可能な法人情報も併せて確認すると判断材料になる。

以上の5項目は、比較記事の「おすすめランキング」を鵜呑みにせず、自分で判断するための材料だ。逆に言えば、この5項目に答えられないサービスは、比較記事でどれだけ高評価でも慎重に検討した方がいい。

FAQ

Q. 退職代行を選ぶときに何を確認すべきか?

A. 運営元が弁護士法人か、労働委員会の認証を受けた労働組合か、民間企業かを最初に確認する。民間企業ができるのは退職の意思を伝えることまでで、会社との交渉を業として行うと非弁行為にあたるおそれがある。比較記事のランキング順位よりも、運営元の情報(代表者名・住所・労働委員会認証の有無)が公開されているかどうかの方が重要になる。

Q. 「弁護士監修」の退職代行は安全か?

A. 「弁護士監修」と「弁護士が運営」は全く違う。弁護士監修はアドバイザーとしての関与であり、その民間業者に交渉権限を与えるものではない。弁護士名が公開されていない「弁護士監修」は特に注意が必要で、植野法律事務所も「弁護士監修という言葉だけで交渉もできると判断するのは非常に危険」と指摘している。

Q. 労働組合が運営する退職代行は全て合法か?

A. 必ずしもそうとは言えない。東京弁護士会は「労働組合の行為が必ずしも非弁行為にならないとは限りません」と公式に注意喚起している。弁護士法人みやびも、退職代行のためだけに設立された「名ばかり組合」が団体交渉権を根拠に適法性を主張することは困難と指摘している。労働委員会の認証を受けているかどうかが1つの判断基準になる。

Q. GoogleのAI Overviewの退職代行推薦は信用できるか?

A. 他の情報源と併せて確認することが望ましい。AI Overviewは検索上位の比較記事を参照元として回答を生成しており、比較記事の内容がそのまま回答に影響する。選定基準のない比較記事が参照元になれば、法的リスクが指摘されているサービスもおすすめとして推薦されうる。Geminiが非弁提携で逮捕者が出たサービスを「透明性が高い」と推薦した例もある。

Q. Google検索で透明性の高い退職代行の比較記事を見分けるには?

A. 監修弁護士が実名で公開されているか、選定基準が明記されているか、口コミの調査方法が記載されているか、運営会社の本業が比較対象と関係があるかをチェックする。マイベストのように選定基準を公開している記事や、マイナビのように運営会社情報を公開している記事は透明性が比較的高い。

Q. データ復旧の比較記事と退職代行の比較記事の問題は同じか?

A. 根本的な傾向は共通しているが、表れ方が違う。データ復旧では「全ての比較記事が同じ1社を1位にする」分かりやすい偏りがあった。退職代行では1位がバラバラだが、法的リスクが指摘されているサービスが比較記事に残り、停止済みサービスがランキングに掲載され続け、それをAIが推薦するという問題が起きている。少なくとも検索結果からは、どの比較記事がグレーなサービスを除外しているかは分からなかった。

まとめ

「退職代行 おすすめ」で検索すれば比較記事が出てくるし、AIに聞けば具体的なサービス名を教えてくれる。しかし今回調べてわかったのは、検索結果もAIも、その比較記事がグレーなサービスを除外しているかどうかを利用者に示していないという現実だった。

弁護士名を公開していない「弁護士監修」、退職代行のためだけに作られた名ばかり組合、代表者が逮捕されたサービス。こうした情報は、弁護士会が注意喚起を出していても検索上位には出てこないし、Geminiは逮捕されたサービスを「透明性が高い」と推薦していた。

検索やAIが教えてくれる「おすすめ」は、たまたま参照した情報源の質で決まる。運営元の法的区分や弁護士名の公開、労働委員会の認証、比較記事の選定基準、運営会社の法人情報など、自分で確認できることは自分で確認した方がいい。

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ツバサ

ツバサ

EC関連の会社で働いています。少人数の職場なので、ささげ業務の手配から画像の外注管理、ページ更新、バイトさんへの作業指示まで守備範囲は広めです。Photoshopは苦手なので本格的な画像加工は外注に出していますが、何社も試した分、業者選びや納品チェックには慣れました。このブログは仕事の中で身につけたことの記録です。