ツバサのメモ帳
データ復旧業者の選び方を調べたら、おすすめ比較記事が「自称No.1だらけ」だった話

データ復旧業者の選び方を調べたら、おすすめ比較記事が「自称No.1だらけ」だった話

こんにちは、ツバサです。

先日、会社のアルバイトがiPhoneを水没させてしまった。画面が真っ暗なまま動かないらしい。iCloudのバックアップは取っていなかったそうで、旅行の写真が2年分入っているのに全部消えるかもしれないと、かなり落ち込んでいた。

僕自身は仕事のデータを二重にバックアップしているから端末が1つ壊れても困らないが、個人の写真となるとまた話が別だ。「データ復旧業者に頼めば戻るかもしれないよ」と声をかけたものの、どこに頼めばいいのか僕も知らなかった。

ただ、EC実務で外注先を選ぶときの「比較→見積もり→発注」は何度もやってきた。データ復旧の選び方くらい比較記事を読めばわかるだろうと思って「データ復旧業者 おすすめ」で検索した。

ところが、検索結果の1ページ目はNo.1表示だらけだった。比較記事を開くとどれも同じ1社が1位に推されていて、その会社は売上No.1、復旧率最高値、国内最大級と、最上級表現を5つも同時に掲げている。別の会社も「100人が選ぶ信頼度No.1」を名乗っている。比較しようにも土台がそろっていない。EC実務でいろんな業界の比較記事を見てきたけれど、ここまでNo.1が乱立している検索結果は初めてだった。

以前、比較記事でNo.1を名乗る会社の問題を調べたことがある。レタッチ業界では該当したのは1社だけだった。データ復旧業界は、業界全体がその状態になっている。

「おすすめ比較記事」をGoogleが規制?|No.1表記の法的リスクとAI検索 tsubasa-memo.github.io/comparison-article-credibility.html

そもそも、根拠のないNo.1表示は景品表示法違反になる。消費者庁は2024年9月に「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表しており、令和5年度だけでNo.1表示に関する措置命令が13件出ている。

No.1表示そのものが悪いわけではない。売上実績や市場シェアのように、客観的なデータに基づくNo.1なら消費者の判断材料になる。問題は、「何が」No.1なのか、「どんな調査で」No.1になったのかが不明なまま掲げられているケースが多いことだ。全員がNo.1を名乗っている状態は、消費者にとって比較の軸が存在しないのと同じになる。

この記事では、データ復旧業界で使われているNo.1表示の根拠を一つずつ確認していく。

この記事を読んだらわかること

  • データ復旧業界では各社がNo.1の指標を変えることで、複数の会社が同時にNo.1を名乗れる構造になっている
  • 「復旧率」の算出方法は業界で統一されておらず、BUFFALO公式コラムとDRAJガイドラインがともにこの事実を指摘している
  • 適格消費者団体がある業者の「復旧率最高値95.2%」の表示に差止請求を行い、完全復旧は52.0%だったことが判明した
  • お金を払えば「○○調べNo.1」の肩書きを取得できる調査会社が存在する。最短3日で取得可能、消費者庁に指摘されたら全額返金という条件で販売されている
  • 「データ復旧会社 おすすめ」の検索1ページ目で、D社を「1位」と明記しているアフィリエイト比較記事が複数あり、紹介文が一字一句同じだった
  • Google AI Overviewがこれらのコピペ比較記事を参照して「最もおすすめ」と推薦している
  • DRAJは「苦情が集中している悪質な事業者も当協会の会員ではございません」と公表している

「データ復旧業者 おすすめ」で検索して並ぶNo.1の正体

まず、検索結果の1ページ目で確認できた「No.1」を整理してみた。

業者No.1の指標根拠
D社復旧率最高値95.2%各月復旧率の最高値。一部復旧を含む。業界統一の定義なし(後述)
売上No.1(14年連続 or 17年連続)「第三者機関による売上調査」。機関名非公開。集計期間と連続年数が不一致
国内最大級ラボ・国内トップクラスの実績・国内トップクラスのエンジニアいずれも基準不明。上記と合わせて1社で5つ以上の最上級を同時使用
R社100人が選ぶ信頼できると思うデータ復旧会社No.1JAPAN TRUST RESEARCH調べ。100人×10日間のイメージ調査
受付店が全国にあるから安心できると思うデータ復旧サービスNo.1JAPAN TRUST RESEARCH調べ。105人×10日間のイメージ調査
Googleレビュー高評価クチコミ数 顧客満足度No.1JAPAN TRUST RESEARCH調べ。Googleマップの口コミ「数」を数えただけで「顧客満足度」と命名

検索上位に並ぶ2社がさまざまな指標でNo.1を名乗っているが、これはそのまま鵜呑みにはできないものばかりだった。

R社の「顧客満足度No.1」はGoogleマップの口コミ数を数えただけで「顧客満足度」と名付けているが、そもそもこの業界のGoogleレビュー自体が偏った状態にある。データ復旧業者のGoogleレビューを見ると、星4.7や4.9といった評価が並んでいる。データ復旧は料金が高額で、復旧できないケースも少なくないサービスだ。それなのに星5に近い評価ばかりというのは、一般的なサービス業の口コミ分布としては珍しい。口コミを投稿しているアカウントを見ると、レビュー件数が1〜2件しかないアカウントも多く見られたが、この事実だけで不正レビューとは断定できない。ただし、Googleマップの口コミをそのまま「顧客満足度」として引用するのは、根拠としては弱い。検索結果のランキングも、AI Overviewの推薦も、Googleマップの口コミも、Googleが提供する情報のどれもが正確とは言えない状態にある。

データ復旧の「復旧率」に業界統一の定義がない問題

No.1の中でも特に厄介なのが「復旧率」だ。

BUFFALO(バッファロー)はHDD・NAS等のストレージメーカーとして自社でデータ復旧サービスも提供しているが、その公式コラムで次のように書いている。

「復旧率」と言っても、その算出方法は業界で統一されているわけではありません。

受付数に対して復旧できた件数の割合なのか、全体のデータ量から復旧できたファイル件数を示したものなのか、業者によって計算方法が違う。BUFFALOは「安易に『復旧率90%以上』などと謳わない業者のほうが、誠実であるとも言えます」とまで書いている。メーカー自身がここまで踏み込んだ発言をしているのは重い。

(出典:BUFFALO公式「ハードディスクの高いデータ復旧率…それって本当?」

日本データ復旧協会(DRAJ)のガイドラインも同じ問題を指摘している。DRAJはJNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)、SAJ(ソフトウェア協会)と3団体連名で「データ復旧率表記等」に関するガイドラインを策定しており、「事業者側が合理的な根拠のないまま、高いデータ復旧率を提示して広告宣伝を行っていること」がトラブルの原因だと明記している。

(出典:DRAJ ガイドライン

復旧率表示に適格消費者団体が差止請求

この問題は個人の感想ではなく、適格消費者団体が公的に動いている。

埼玉消費者被害をなくす会(適格消費者団体・特定適格消費者団体)は、D社が提供するサービスの「復旧率最高値95.2%」という表示について、使用停止または適切な表示への修正を求め、消費者契約法第41条に基づく事前の差止請求を行った。

申入れの結果、D社の公式サイトの表示は変更された(2026年2月6日現在)。

変更前は「復旧率最高値95.2%」。変更後は「一部復旧を含む復旧件数割合 92.6%」「完全復旧 52.0%」「一部復旧 40.6%」。

この内訳を見ると、「復旧率92.6%」と聞いたときの印象と実態がかなり違うことがわかる。希望したデータが全部戻った人は52%。残り40.6%は一部しか戻っていない。「復旧率92.6%」と「完全復旧52%」では、依頼するかどうかの判断が変わってくる。

このケースでは、申入書(2025年1月)から始まり、再申入書(2025年6月)、再々申入書(2025年10月)、差止請求(2026年3月)、修正状況の確認(2026年4月)と、1年以上にわたるやり取りが続いている。2026年4月時点でも「継続中の事案」として公表されている。

(出典:埼玉消費者被害をなくす会

別の適格消費者団体「消費者ネットおかやま」も2019年に差止請求に関する協議が成立しており、消費者庁が消費者契約法第39条第1項に基づいて公表している。2つの適格消費者団体が動いたという事実は、復旧率表示の問題が業界構造に根ざしたものであることを裏付けている。

(出典:消費者庁

復旧率を修正しても比較記事に古い数字が残る問題

D社の公式サイトでは復旧率の数字は修正されたが、問題はそれだけでは終わらない。

「業界最高水準」「国内最大級」「国内トップクラス」といった最上級の形容詞はそのまま残っている。差止請求で指摘されたのは復旧率の数字であって、形容詞は対象外だった。

さらに、比較記事の側にはいまだに旧い「復旧率最高値95.2%」が掲載されたままのものがある。公式サイトを修正しても、アフィリエイト比較記事を通じて古い数字がインターネット上に残り続け、AIの学習データにも取り込まれ続ける。公式と比較記事の間に情報の時差が生じる構造そのものが問題になっている。

データ復旧業者の「○○調べ No.1」はどこから来たのか

R社が掲げる「100人が選ぶ信頼できると思うデータ復旧会社No.1」。その出典である「JAPAN TRUST RESEARCH」を調べたところ、依頼主の会社がNo.1になるような調査を行い、その結果を販売する事業者だった。法人番号は確認できなかった。

JAPAN TRUST RESEARCHのサイトには所在地が京都・鳥羽勧進橋町のビル6F、運営責任者として個人名が記載されている。「代表取締役」ではなく「運営責任者」という表記で、gBizINFOで法人番号を検索しても該当は確認できなかった。イメージ調査で「おすすめNo.1」「注目の○○No.1」といったランキングの取得を行うサービスを提供している。

同業の日本ナンバーワン調査総研合同会社はさらに露骨だ。公式サイトで「カテゴリーを細分化することでNo.1取得を実施」と明記している。「最短3日で調査完了」「有効期限なし(メンテナンスフリー)」。返金保証は2種類あり、No.1が取得できなかった場合に加えて、消費者庁からの取り下げ指示があった場合にも全額返金するという。バナーデザインまでワンストップで提供している。

(出典:日本ナンバーワン調査総研

「消費者庁からの取り下げ指示があった場合に全額返金」という文言は、No.1表示が行政に問題視されうることを調査会社自身が織り込んでいるということだ。

消費者庁は2024年9月に「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表しており、その中で令和5年度の景品表示法に基づく措置命令44件中、No.1表示を含む不当表示に対するものが13件に上ったと報告している。ヒアリング対象の広告主15社のうち、調査の基本的な内容(質問内容・比較対象企業・回答者への提示内容)を把握していた事業者はわずか1社だった。調査費用は1フレーズ10万円〜数十万円。「結果が悪ければ返金する」「1位が獲れるまで追加費用なしで再調査する」という勧誘文句で営業していた調査会社の存在も確認されている。

(出典:消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」2024年9月26日公表)

これはデータ復旧業界だけの話ではない。2022年1月には日本マーケティングリサーチ協会が「非公正なNo.1調査への抗議状」を公表しており、業界団体自身が問題を認識していた。

No.1表示の3つの手口:根拠なし・調査購入・定義のない数字

レタッチ業界を調べたときは、根拠なくNo.1を名乗っていたのは1社だけだった。データ復旧業界はその規模が桁違いに大きい。

手口を整理するとこうなる。

なんの調査もしていないのに、根拠もなくただ「業界No.1の品質」と書いたり、おすすめ比較記事で自社を1位と書いたりする。これが最も稚拙で、レタッチ業界で見たのはこのパターンだった。次に、調査会社から「○○調べ」を買って第三者のお墨付きに見せる。「JAPAN TRUST RESEARCH調べ」と付くだけで、消費者は第三者が客観的に評価した結果だと受け取る。さらに巧妙なのは、定義のない指標に「最高値」「最高水準」と数字を付けるパターンだ。「復旧率最高値95.2%」のように数字が入ると、それが何を根拠にした数字なのかを疑わずになんとなくいい印象を受けてしまう。

なお、合理的根拠のないNo.1表示は景品表示法違反(優良誤認表示)に該当する。消費者庁は2024年9月にNo.1表示に関する実態調査報告書を公表しており、景品表示法に基づく措置命令44件中13件がNo.1表示に関するものだった(出典:消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」2024年9月)。

データ復旧業者のおすすめ比較記事が同じ1社を推す構造

おすすめ比較記事が複数あれば、それぞれ調査方法も評価軸も違うのだから、1位に選ばれる会社はばらけるのが自然だ。

「データ復旧会社 おすすめ」で検索して1ページ目に出てくるサイトを全部読んでみた。E社はD社を「【1位】」と明記し、H社も「【第1位】」と明記していた。F社は「トップ3」「トップ7」という表現でD社を筆頭に紹介している。この3サイトがD社を明確に最上位に位置づけていた。

しかもE社とH社は、運営会社が別法人なのに同じアフィリエイトリンクIDを使っており、D社の紹介文も一字一句同じだった。

サイトEサイトH
運営会社の本業京都のプログラミング教室東京のゲーム業界の転職エージェント
D社の順位表記【1位】【第1位】
アフィリエイトリンクID(felmat)同一
D社の紹介文一字一句同じ

どちらもデータ復旧とは無関係な事業を本業とする会社だ。「365日24時間電話受付を行っており」「依頼の約80%が48時間以内に復旧しているようです」「料金は500GB未満で5,000円~」という文章が、そのまま使い回されている。

さらに驚いたのは口コミだ。E社に「E社独自調査」と出典が付いた口コミと、H社に「H社調査」と出典が付いた口コミが、一字一句同じ文章だった。「独自調査」と書いているのに、他のサイトにも同じ口コミが掲載されている。

比較記事の多くには「本コンテンツには広告を含み、提携企業から送客手数料を受け取ることがあります」といった開示文が掲載されている。アフィリエイト広告で収益を得ていることは明記されている。なぜ同じ1社が全記事で1位になるのか、なぜ紹介文と口コミが一字一句同じなのか。報酬体系の詳細はASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)に登録しないと確認できないので、因果関係については断定しない。ただ、この構造が次に何を引き起こすかは確認できた。

コピペ比較記事からGoogle AI Overviewが「最もおすすめ」を生成している

「データ復旧業者おすすめ」でGoogle検索すると、AI Overviewが表示される。そこには「中でも『デジタルデータリカバリー』は復旧率・対応実績ともに高く、最もおすすめです」と書かれていた。参照元として9件のソースが表示されており、そのほとんどが前述のアフィリエイト比較記事だ。

紹介文が一字一句同じ比較記事が複数あり、口コミまで使い回されている。その比較記事群をAIが読み込み、「多くのソースが同じ会社を推薦している=信頼できる情報だ」と判断して、「最もおすすめ」と出力している。AIは比較記事の独立性を検証していない。同じ紹介文が3サイトに載っていたら、3つの独立した評価があると解釈してしまう。

ここまで調べてきて思うのは、問題の根はデータ復旧業界にあるのではなく、Googleの検索結果の構造にあるということだ。同一テンプレートのアフィリエイト比較記事を検索上位に並べ、そのAIがそれを読み込んで「最もおすすめ」と推薦する。比較記事がアフィリエイト素材のコピペであることも、口コミが使い回されていることも、Googleは検知できていない。DRAJ加盟企業ベースで構成された記事では推薦される会社が全く変わるという事実が、検索上位の比較記事が業界の実態を反映していないことを示している。

独自の調査基準で評価しているHonNe(運営:株式会社EXIDEA)も、D社を4位としている。同記事ではDRAJガイドラインを引用し「復旧率で業者の質を判断するのはおすすめしない」「特に90%以上など異常に高い復旧率を示す業者は数値の根拠を確認しましょう」と書いた上で、D社のデメリットとして「営業が強引に感じたとの口コミを一定数確認」と記載している。独自の評価基準を持つ比較メディアでは、D社は1位にしていなかった。

データ復旧業界だけの話ではない。検索上位がアフィリエイト比較記事で占められている業界では、どこでも同じことが起きうる。

同じ「おすすめのデータ復旧業者」という質問でも、AIによって答えが全く違う(以下は2026年6月時点の回答)。ChatGPTに聞くとD社を1位に推薦する。参照元として表示されるのは、この記事でコピペを確認したアフィリエイト比較記事そのものだ。Geminiに聞いてもD社が1位で、「国内最大規模の設備」「復旧率と対応スピードに優れ」とD社の自社表現をそのまま引用している。Google AI Overviewも同じ構造の比較記事を参照して「最もおすすめ」と出力している。

一方、Perplexityに同じ質問をするとD社は候補にすら入らない。推薦されたのはデータレスキューセンター、DRTC、アイフォレンセといった会社で、アフィリエイト比較記事の上位常連ではない。AIが何を参照するかで答えが変わるという事実は、どのAIの推薦も鵜呑みにしてはいけないことを意味している。

Googleは2026年5月のAI最適化ガイドで、「おすすめ○選」のようなコモディティ化されたコンテンツは「読者に独自の洞察をほとんど提供しない」と明記した(出典:Google検索セントラル「生成AI検索向けに最適化するためのガイド」2026年5月20日更新)。紹介文がコピペで独自の視点がない比較記事は、Googleが低品質例として示したコンテンツに該当する。比較記事の信頼性問題については別の記事で詳しくまとめている。

「おすすめ比較記事」をGoogleが規制?|No.1表記の法的リスクとAI検索 tsubasa-memo.github.io/comparison-article-credibility.html

データ復旧業者の比較は口コミやNo.1ではなく検証可能な事実で

では何を見て選べばいいのか。

「ツバサのおすすめランキング」を作るつもりはない。そうすると僕自身が比較記事と同じことをやることになる。ここでは、外部から検証可能な事実を並べるだけにとどめる。判断は読者自身でしてほしい。

以下は、No.1を掲げていないか、掲げていてもその根拠が外部から検証可能な会社の例だ。

会社名設立資本金従業員数DRAJISO検証可能な根拠
BUFFALO1978年10億円616名正会員9001 / 14001外付けHDD国内シェアNo.1メーカー。自社製品だけでなく他社製品のデータ復旧にも対応。料金は一律固定制で公式サイトに料金表公開。iPhone・Android対応
AOSデータ2015年(親会社AOSテクノロジーズは1995年創業)3億5,250万円78名データ復旧ソフト「ファイナルデータ」20年連続販売シェアNo.1(ソフト販売のシェア。復旧サービスのシェアではない)
エーワンデータ2017年(データ復旧事業は1994年開始)5,000万円非公開常任理事270011994年に日本初のデータ復旧サービスを創設。復旧実績8.5万件超。調査費無料・成功報酬制
アドバンスデザイン1995年非公開非公開常任理事27001メルコホールディングス傘下(BUFFALOのグループ企業)。HDDメーカーSeagateとの技術提携実績
データスマート運営:株式会社ブレイディア非公開非公開27001警察からの感謝状(埼玉県警・愛知県警への捜査協力)。元刑事・元SONYエンジニアなど実名の専門家による推薦を公表
ロジテック1982年(エレコムグループ)1億円138名常任理事ISMSPC周辺機器メーカー直営。定額制・成功報酬型。復旧先の外付けHDDを無料提供

資本金や従業員数が「非公開」の会社もあるが、それ自体が良い悪いという話ではない。ここで重要なのは、設立年数は法人登記で確認できる、DRAJ加盟はDRAJの公式サイトで確認できる、ISO取得は認証機関で確認できるという点だ。「No.1を主張しているかどうか」ではなく、「その根拠を外部から確認できるかどうか」で見ればいい。

データ復旧業者を個人・法人別に選ぶなら

自分がデータ復旧を依頼するとしたら、個人か法人かでまず選び方が変わる。

個人で料金が不安なら、メーカー系の復旧サービスを最初に検討する。BUFFALOは一律固定制で料金表が公開されており、見積もり後に金額が膨らむ心配がない。他の比較記事では「BUFFALO製品にしかおすすめしない」と書かれていることがあるが、実際には他社製品のデータ復旧にも対応している。ロジテック(エレコムグループ)も定額制・成功報酬型で、復旧先の外付けHDDを無料提供してくれる。どちらもDRAJ会員企業で、HDDメーカーとしての技術基盤がある。まず無料で診断して判断したいなら、エーワンデータ。調査費無料・成功報酬制で、復旧できなければ費用がかからない。1994年からのデータ復旧実績8.5万件超。DRAJ常任理事企業。

法人でサーバーやRAIDの復旧が必要なら、アドバンスデザインを候補にする。メルコホールディングス傘下でBUFFALOへの技術提供実績があり、HDDメーカーSeagateとの技術提携もある。出張復旧にも対応しており、持ち出しが難しい大型機器の復旧にも対応できる。DRAJ常任理事企業。セキュリティ体制を重視するなら、ISO 27001やISMSを取得している会社に絞るのが確実だ。

警察の捜査協力レベルの案件や、第三者の推薦を重視するなら、データスマート。埼玉県警・愛知県警への捜査協力で感謝状を受けており、元刑事・元SONYエンジニアなど実名の専門家が推薦を公表している。

共通して確認すべきは、DRAJ加盟の有無・ISO取得の有無・料金体系が公開されているかの3点だ。この3つは全て外部から検証できる。

DRAJに加盟しているかどうかは1つの目安になる。DRAJは「苦情が集中している悪質な事業者も当協会の会員ではございません」と公式に注意喚起を出しており(2018年)、DRAJ会員であることは客観的な判断材料の一つになる。なお、この記事で取り上げたD社もR社もDRAJには加盟していない。

(出典:DRAJ 注意喚起

FAQ

Q. データ復旧の「復旧率」は信頼できる数字ですか?

A. 復旧率の算出方法は業界で統一されていない。BUFFALOの公式コラムとDRAJのガイドラインがともにこの事実を指摘している。受付数ベースなのかデータ量ベースなのかで数字は大きく変わるし、軽い障害だけ集計すれば高い復旧率を謳うことも可能になる。復旧率を比較の軸にすること自体に限界がある。

Q. 「○○調べ No.1」の調査はどこがやっているのですか?

A. No.1調査を商品として販売する事業者が存在する。「最短3日で調査完了」「消費者庁の取り下げ指示があった場合は全額返金」という条件で提供されているケースもある。消費者庁は2024年9月の報告書で、こうした調査の多くがイメージ調査(サイトの印象を聞くだけ)であり、実際の利用経験に基づかないものだと指摘している。

Q. データ復旧業者のおすすめ比較記事のランキングは参考になりますか?

A. ほぼ全ての比較記事がアフィリエイト広告を含んでおり、サイト上にもその旨が開示されている。ランキングは候補のリストアップとして使う分にはいいが、順位をそのまま信用して依頼先を決めるのは避けたほうがいい。比較記事に掲載されている各社のNo.1表示をそのまま引用しているケースも多く、公式サイトで修正された数字が比較記事では古いまま残っていることもある。

Q. データ復旧業者を比較するとき何を見ればいいですか?

A. 設立年数(法人登記で確認可能)、DRAJ加盟の有無(公式サイトで確認可能)、ISO取得の有無(認証機関で確認可能)、料金表の公開、取引先・提携先の開示といった、外部から検証できる事実を確認するのがいい。復旧率や口コミランキングは、定義や母集団が不明なまま使われていることが多い。

Q. 日本データ復旧協会(DRAJ)に加盟しているかどうかはなぜ重要ですか?

A. DRAJはデータ復旧業界の健全化を目的に2009年に設立された業界団体で、2017年に一般社団法人化された。復旧率の誇大広告の禁止、データ復旧ができなかった場合は最低限の費用を除いて費用を受け取らない成果報酬制、児童ポルノ所有者のデータ復旧拒否という3つの行動指針を掲げている。DRAJ自身が「苦情が集中している悪質な事業者も当協会の会員ではございません」と注意喚起を出しており、DRAJ加盟は客観的な判断材料の一つになる。

Q. スマホやiPhoneのデータ復旧はどこに頼めばいいですか?

A. スマホのデータ復旧も基本的な選び方は同じで、DRAJ加盟・料金表公開・成果報酬制かどうかを確認するのがいい。BUFFALOはiPhone・Androidの両方に対応している旨を公式サイトに記載している。スマホの場合はフラッシュメモリが記録媒体になるため、HDD復旧とは難易度が異なるとDRAJのトークセッション(2019年)でも言及されている。「ちょっと難しいかもしれません、とお伝えせざるを得ない状況です」と正直に語る技術者の姿勢は、安易に高い復旧率を謳う業者とは対照的だ。

Q. データ復旧を頼むのが恥ずかしいのですが?

A. 個人の写真や動画が入った端末を他人に預けることへの抵抗は当然のことで、それが信頼できる法人に依頼すべき理由でもある。ISO 27001(情報セキュリティマネジメント)やプライバシーマークを取得しているか、DRAJ加盟企業か、法人登記や資本金が確認できるかといった点は、個人情報を預ける先として最低限確認すべき基準だ。レタッチの外注で未発表の商品画像や芸能人の未修正写真を預けるときに法人格のある会社を選ぶのと同じ考え方で(→ レタッチ会社の法人情報比較)、「大事なデータだからこそちゃんとした会社に」が判断軸になる。

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EC関連の会社で働いています。少人数の職場なので、ささげ業務の手配から画像の外注管理、ページ更新、バイトさんへの作業指示まで守備範囲は広めです。Photoshopは苦手なので本格的な画像加工は外注に出していますが、何社も試した分、業者選びや納品チェックには慣れました。このブログは仕事の中で身につけたことの記録です。