こんにちは、ツバサです。
仕事で商品画像を扱うことが多いので、著作権や肖像権については「なんとなく気をつけないといけない」という認識はずっとありました。ただ、具体的にどこから違反になるのか、街中で撮った写真はSNSに使っていいのかなど、正直あやふやな部分があったので改めて調べました。
法律の話は専門家に確認するのが確実ですが、EC担当や写真をSNSに投稿する人が最低限知っておいた方がいいことを、できるだけわかりやすく整理してみます。
著作権と肖像権はどう違うのか
混同されがちですが、著作権と肖像権は別の概念です。
著作権とは
著作権は、創作的な表現(写真・文章・音楽・絵など)を作った人が持つ権利です。写真の場合、シャッターを押した人(撮影者)に自動的に発生します。登録や申請は不要です。
著作権法では、著作者の許可なく作品を複製・配布・公開することが原則として禁じられています。SNSで他人が撮った写真を無断で転載することが問題になるのは、この著作権を侵害するためです。
日本の著作権法における保護期間は、著作者の死後70年(2018年の法改正後)です。期間が過ぎた作品はパブリックドメインとなり、原則として自由に使えるようになります(文化庁・著作権)。
肖像権とは
肖像権は、自分の顔や姿が無断で撮影・公表されない権利です。著作権と違い、日本の法律には「肖像権」という名称の条文はありませんが、プライバシー権や人格権の一環として、裁判例の積み重ねによって認められてきた権利です。
芸能人や有名人の場合は、これに加えて「パブリシティ権(自分の氏名・肖像を商業的に利用する権利)」も問題になります。
よくある場面ごとの判断の目安
ネットで見つけた写真をSNSに投稿したい
原則として、他人が撮影した写真をSNSに投稿することは著作権侵害になります。「インターネット上にあるから無料」という認識は誤りです。
例外として使えるケースは以下の通りです。
他人の写真を使えるケース(目安)
著作権フリーの素材サイトから入手した場合:Unsplash・Pixabay・Pexelsなどのサイトは、商用利用可能な写真を無料で提供しています。ただし各サイトの利用規約を確認してください。
CCライセンス表示のある写真:クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスが付いている写真は、ライセンスの条件(帰属表示・非商用・改変禁止など)を守れば利用できます。
権利者から許可を得た場合:許可の範囲(使用媒体・期間・用途)を明確にして同意を得ていれば問題ありません。
街中で撮影した写真に他人が写り込んでいた
これはグレーゾーンが大きい領域で、法律上の明確なラインはありません。実務的な判断の目安として、裁判例や法律家の見解を参考にすると以下のように整理できます。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 景色を撮ったら通行人が小さく写り込んでいた | 主役が景色で、人物が特定されない程度なら問題になりにくい |
| イベント・観光地で群衆を撮影した | 公共の場での撮影で、特定個人に焦点が当たっていなければ比較的問題になりにくい |
| 特定の人物を鮮明に撮影した | 本人の許可なく公開することは肖像権の問題が生じる可能性がある |
| 医療機関・宗教施設など、撮影自体がセンシティブな場所での撮影 | プライバシー侵害として問題になりやすい |
| 子どもを撮影した | 特に注意が必要。保護者の同意なく公開するのはリスクが高い |
「公共の場で撮ったから大丈夫」とは言い切れない、というのが正直なところです。公共の場での撮影であっても、肖像権侵害が認められた裁判例はあります。
Xや InstagramでSNS投稿をリポストしたい
InstagramやXが提供するリポスト・引用リポスト機能を使う場合は、元の投稿主が公開設定にしている範囲内での利用であり、プラットフォームの利用規約上は問題ありません。ただし、以下の点は注意が必要です。
リポストで気をつけること
スクリーンショットを撮って別途投稿する:これはリポスト機能とは異なり、無断複製になる可能性があります。
出典を明記せずに投稿する:自分の投稿のように見せると著作権侵害および信用毀損の問題が生じえます。
非公開アカウントの投稿をリポストする:非公開設定の投稿は公開の同意がないため、転載は問題になります。
ECサイトの商品写真に人物を起用したい
これは仕事でも関係するので、特に気をつけています。モデルや知人を商品写真に起用する場合は、必ず事前に使用条件を書面で合意しておく必要があります。
必要な合意事項の例:使用媒体(ECサイト・SNS・印刷物など)、使用期間、使用範囲(国・地域)、対価の有無。こうした内容を盛り込んだ「肖像権使用同意書(モデルリリース)」の書面があると、後からトラブルになったときの対処ができます。
プロのカメラマンに撮影を依頼する場合も、「撮影した写真の著作権がどちらに帰属するか」を事前に確認しておくことをおすすめします。依頼してお金を払っても、著作権は原則として撮影者(カメラマン)に残ります。ECや広告目的での使用権限を明示的に取り決めておかないと、後になって使用の許諾が必要になることがあります。
著作権フリーの写真素材を入手できる主なサービス
商用利用可能な写真素材を無料・有料で提供しているサービスの一覧です。
| サービス名 | 料金 | 商用利用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Unsplash | 無料 | ○(条件あり) | 高品質な写真が多い。帰属表示不要。 |
| Pixabay | 無料 | ○ | 写真・イラスト・動画が豊富。日本語対応。 |
| Pexels | 無料 | ○ | センスのいい素材が多い。日本語対応。 |
| ACworks(写真AC) | 無料(会員登録必要) | ○ | 日本人モデルの写真が充実している。 |
| Shutterstock | 有料(月額制) | ○ | 点数・品質ともに最大規模。商用利用の幅が広い。 |
無料サービスでも利用規約により「帰属表示が必要」「モデルリリースがないため一部の商業目的には使用不可」といった条件があるため、使用前に確認が必要です。
EC担当として気をつけていること
仕事の場面で特に意識しているのは次の2点です。
ひとつは、商品画像のレタッチや加工を外部に依頼するとき。加工した写真の権利関係や、納品後の二次使用の可否をあらかじめ確認しておくことが重要です。
もうひとつは、商品の参考画像や雰囲気画像として他社ECのスクリーンショットを使わないこと。他社商品の画像を無断で使用することは著作権侵害になります。素材が必要な場合は素材サービスを使うか、自社で撮影するか、プロに依頼するのが基本です。
EC担当が知っておきたい著作権・肖像権チェックリスト
□ 商品画像に使用している素材の出典・使用許諾を確認しているか
□ 人物が写っている場合、肖像権使用同意書を取得しているか
□ 他社商品・他社ECの画像を無断で使用していないか
□ 外注レタッチ・撮影の権利帰属を書面で確認しているか
□ SNSでシェアした素材の出典を明記しているか