リッチブラックとは?
K100との使い分けと印刷の注意点
リッチブラックとは
リッチブラックとは、K(ブラック)100%にCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)を加えて作る、深みのある黒のことだ。K100%だけの黒(スミベタ)は、印刷するとグレーっぽく見えることがある。リッチブラックはCMYを足すことで、より締まった濃い黒を表現できる。
外 印刷の黒:スミベタ(K100%)/リッチブラック/4色ベタ|WAVE wave-inc.co.jp推奨される配合比率は印刷会社によって異なる。C40% M40% Y40% K100%を推奨する会社もあれば、C30% M30% Y30% K100%やC20% M20% Y20% K100%を案内する会社もある。入稿先の推奨値に従うのが安全だ。
外 リッチブラックの作り方とK100との使い分け|BATON PRINT baton.jp一方、C100% M100% Y100% K100%は「4色ベタ」と呼ばれ、合計400%になる。これはほぼすべての印刷条件で総インキ量の上限を超えるため、使ってはいけない設定だ。裏移り、汚れ、乾燥不良が発生し、印刷会社から修正を求められる。
K100%とリッチブラックの使い分け
使い分けの基本は、文字と線はK100%、広い面積の黒ベタはリッチブラックだ。
リッチブラックはCMYKの4色を重ねて印刷するため、わずかな版ズレ(紙の伸縮による各色の位置ズレ)で色がにじむ。細い文字にリッチブラックを使うと、文字の輪郭にシアンやマゼンタがはみ出して読みにくくなることがある。
外 スミベタとリッチブラックについて|スプリント suprint.jpリッチブラックの上に白抜き文字を配置する場合も注意が必要だ。白抜き文字はインクが載らない部分で文字を表現するが、4色の版がわずかでもズレると白い部分がつぶれて見えなくなることがある。白抜き文字を載せる場合は、文字サイズを大きめにするか、線を太めにするのが安全だ。
外 黒の種類について|アイカ printing-aika.comなお、K100%のオブジェクトには「オーバープリント」が適用される場合がある。これは背面のオブジェクトの色の上からK100%を重ねる処理で、RIPの設定やIllustrator・PDFの設定によって挙動が変わる。K100%で広い面積を塗った場合に背面の色が透けて見えることがあるため、意図しない結果にならないか確認が必要だ。
覚えておきたいポイント
EC担当者がリッチブラックを直接設定する場面は少ないが、デザイナーや印刷会社とやり取りする際に知っておくと話が早い。
黒背景のPOPやバナーを印刷するとき、「黒が薄い」と感じたらK100%だけで作られている可能性がある。逆に、文字がにじんで見える場合はリッチブラックが使われている可能性がある。
外 黒色印刷のK100とリッチブラックの違いとは|print-info print-info.comもう1つ注意したいのが、総インキ量との関係だ。印刷会社の推奨比率で作ったリッチブラックなら合計200〜250%程度に収まるのが一般的だが、比率を上げすぎると総インキ量の上限に引っかかる。入稿先の推奨値を確認してから設定したい。
黒ベタと文字の組み合わせで起きるトラブルは「レタッチした商品写真を印刷したら色が変わった」でも触れている。
ツ レタッチした商品写真を印刷したら色が変わった|インクの色はCMYK、モニターはRGB tsubasa-memo.github.io/print-ink-color-shift.html