景品表示法(景表法)とは
景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)は、商品やサービスの品質・価格について消費者を誤認させる不当な表示を禁止する法律だ。消費者庁が所管しており、EC事業者を含むすべての事業者が対象になる。
規制の柱は大きく2つある。
| 分類 | 概要 | EC実務での例 |
|---|---|---|
| 優良誤認表示 | 商品の品質・性能を実際より著しく優良に見せる表示 | 「顧客満足度No.1」の根拠なし表示、商品画像の過度な加工 |
| 有利誤認表示 | 価格・取引条件を実際より著しく有利に見せる表示 | 販売実績のない「通常価格」からの割引表示(二重価格) |
2023年10月にはステルスマーケティング(ステマ)が新たに不当表示として告示に追加され、2024年10月には確約手続と直罰規定(100万円以下の罰金)が導入された。EC運営に直結する法改正が続いている。
外 景品表示法 - 消費者庁 caa.go.jpEC実務で出てくる場面
セール時の価格表示
楽天スーパーSALEやAmazonタイムセールなど、ECモールのセール企画で「通常価格○円→セール価格○円」と表示する場面は日常的にある。この「通常価格」として掲げる金額は、セール開始日前の直近8週間のうち過半の期間で実際に販売されていた実績が必要だ。販売実績のない高い価格を「通常価格」として表示すると有利誤認に該当する。
「No.1」「日本初」などの表示
商品ページに「顧客満足度No.1」「業界最安」などの最上級表現を使う場合、客観的な調査データの裏付けが必要になる。調査の対象範囲・調査時期・調査機関を明記できない場合は優良誤認のリスクがある。自社調べのアンケートだけでは根拠として弱い。
ステマ規制とインフルエンサー施策
2023年10月1日から、広告であることを隠した表示がステマとして規制対象になった。インフルエンサーに商品を提供して投稿を依頼する場合、投稿に「PR」「広告」「提供」などの表記が必要だ。表記がないと広告主側に措置命令が出される可能性がある。
外 ステルスマーケティングに関する景品表示法上の考え方 - 消費者庁 caa.go.jp商品画像の加工
商品画像のレタッチも景表法と無関係ではない。食品の彩度を極端に上げて実物より鮮やかに見せる加工や、商品サイズが実際と異なる印象を与える画像は優良誤認に問われる余地がある。色補正やシャープネス調整など通常のレタッチは問題ないが、消費者が商品を受け取ったときに「写真と違う」と感じるレベルの加工は避けるべきだ。
ツ 景表法とEC運営|商品ページで気をつけるポイントまとめ tsubasa-memo.github.io/keihyouhou-ec-memo.html覚えておきたいポイント
景品表示法はEC運営で最も身近な法規制のひとつだ。「知らなかった」では通用せず、措置命令を受けると企業名が公表される。課徴金制度もあり、対象商品の売上額の3%が課される場合がある。
EC担当者が最低限押さえておくべきポイントは3つ。セール時の二重価格表示のルール(直近8週間の販売実績)、「No.1」表示の裏付けデータの確保、インフルエンサー施策でのPR表記の徹底だ。判断に迷うケースは消費者庁の公表事例や、社内の法務担当に確認するのが確実だ。
なお、EC商品画像のレタッチについては特定商取引法でも返品条件との関連で表示義務が規定されている。景表法と合わせて理解しておくと、トラブル防止に役立つ。
外 表示規制の概要 - 消費者庁 caa.go.jp 外 景品表示法に関する報道発表 - 公正取引委員会 jftc.go.jp